第10話 騎士団

「この本の話が本当なら孤独の魔女は実在しているの?」

「国の外れで上級騎士とドラゴンは常に闘っていて上級騎士はほぼ出払っている状態。おかげで国の護衛は手薄。そこに来てのゴーレムの襲撃。そんな芸当ができるのは孤独の魔女くらいでしょうね」

「でも本には孤独の魔女は王国を憐れんでるようにかいてあるけど」

「憐れんだ故の選択が魔法騎士団と住人を対等に戦わせ、今となっては差別が逆転した。モンスターをけしかけて王国を困らせるのも魔女の憐れみかもね」

「さっき上級騎士って言ってたけど騎士団の階級ってどんななの?」

「騎士団は下級騎士と上級騎士とに分かれていて地位や力は上級騎士の方が上。後で聞かれたくないから今言うけど、上級騎士は貴族に近い地位と権力があって、上級騎士と騎士団長兼王と宰相のお父さんとで王国を運営しているの、で急にどうしたの?」

「やっぱり兵士になって騎士団に入る」

「権力に目がくらんだの?」

「そうじゃなくて魔女に会いたいなって、騎士団にいたら魔女に会える確率も上がるだろうなって」

「本の話は史実ではなくて架空の魔女から見たこの国の歴史を教えてるのよ?」

「さっき魔女がモンスターを使って王国を襲わせてるって言ってたよね?」

「話に辻褄を合わせるなら魔女なんじゃないかってこと。絶滅したとされてる大型モンスターが王国を襲ってるのを偶然のできごとではなくて誰かが意図的にっやってる方がまだ納得がいくのよ」

「なら魔女を倒した方がモンスターが襲ってくる事もなくなるんじゃないか?」

「…それなら魔女はどこにいるのよ?」

「じゃあ僕の目的は騎士団に入って魔女を見つけること!」

「…………」

「それとも仲良く冒険者稼業を続ける?」

「私は口利かないわよ」

「いいよテイシャに聞いてみるから。あ、アルマスさんも優しそうだったな」

「本当に魔女がいたらあなたの事を尊敬してあげる」


 僕はいるかも分からない魔女を探すために騎士団に入ることを決意した。

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