第40話 Re狼平原
「遂にまたこのダンジョンに来たね!」
私たちは再びあの狼のいるダンジョンに潜っていた。
「特訓もしたし、あの時の私たちよりも強くなった。もうあの赤い狼が出ても倒せるね。なぁに心配そうな顔してるの!大丈夫だって。」
無意識のうちにあの狼のことを思い出していた。それを日向に指摘されて頭の中から払拭する。もうあんなことにならないために強くなったんだから!
「うん、その意気だよ!取り敢えずは一体から倒そう。いきなり3体とか戦ってもまだ慣れてないからね。」
日向の提案で一体でいる狼を探して倒しにいく。最初に日向が足を切って動けなくしてから私が攻撃して倒す作戦にした。
「白ちゃん、この先いるよ。準備はいい?」
「うん、いつでも。」
日向がハンドサインで数えた後突撃していった。作戦通り日向が脚を切っている間に私は矢をつがえる。
「白ちゃん、今!」
日向が後退した合図を出したタイミングで狼にとどめを刺す。作戦通りに行った。
「いえーい!うまく行ったね。初心者の森でシカ相手に練習した甲斐あったよ。この調子で行けばなんとかなるかな。」
「うん、うまくいきすぎて怖いくらい。」
その後も私たちは狼を倒していき、ついに。
『レベルアップしました。』
レベルアップの声を聞いた。
「やった、レベルアップだって!目標だったレベル5まで後少しだよ!」
「うん!あとスキルポイントが5あれば日光耐性を上げられる!」
お互いの成長を感じながら私たちは更に狼を倒していく。その数が大体50体くらいになった頃、私たちはまだ油断をしていた。
「いやー特訓のおかげで危なげなく倒せていってるね。なんならもう少しでレベルアップするかもね。」
「そんなわけないと思うけど……特訓の成果がよく出てるなとは思うかな。どうする。もう少し倒していく、それとも持ってる素材をギルドのに提出しに行く?」
かなり牙と爪が集まって動きが制限されることは良くないと私は思った。それは日向も同様みたいで。
「一回、ギルドに提出したらまた戻って狩りに行こう。まだ時間はあるし、明日は学校休みだから存分に経験値を集められるし。」
という訳で【
「はい、牙と爪合計50個ずつ確かに受け取りました。一つ二千円になりますので20万になります。それともう一回このくらい納品したらランクアップになるので頑張ってくださいね?」
受付さんの話で更に気合の入った私たちは再び狼平原に足を運んだ。
「更に50体くらいならすぐに集まりそうだね。遂にEランク!目標のDランクまであと少しだね!」
「うん、頑張った甲斐あった感じだね。」
その後私たちは20体ほど狼を狩っていた。そんなときだった。
「あれ?もう、夕方?そんなに狼倒すのに集中してたっけ。」
「ここだと時計も使えないからね、意外と熱中してたのかも。あともう少し頑張ろう、白ちゃん。」
「うん!」
この時、帰っていればと私は何度も思うことになる。
「これで!40体目!お疲れ白ちゃん。少し休もうか。」
「うん、ちょっと疲れたかな。はい、ポーション。ここに来る前に薬屋で買ってきたんだ。」
「わ、助かるー!あぁ生き返る!そろそろ暗くなってきそうだし帰ろうか?」
「そうだね、もう暗く……あれ?日向。何で太陽があんな所にあるの?」
私は明らかに夕暮れになるはずもない位置に太陽があることに気がついた。普段から気にして止まない太陽を忘れるほど熱中していた私はその時異常に気がついた。
「まだ、夕暮れなんかになる時間じゃないんだ!これなんかおかしいよ日向!?」
「まずい予感がする。すぐに【
急いで戻る私たちは目の前に【
「なんとかなったみたいだね、日向。」
目の前に見えたことで気を抜いた私は近くから来る狼に気が付かなかった。
「白ちゃん危ないッ!」
なんとか日向のおかげで避けることには成功した。だが、問題は残されていた。
「赤い……狼!なんでこんな時にコイツが!しかも前より大きい。」
後書き
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