第38話 特訓の成果
聖さんに教えてもらった後、練習してなんとか曲げられるようになった。ただ、軌道修正くらいでぐるぐる回るくらいには出来なかった。
「おはよう、白ちゃん!」
「おはよう、日向。あれ、何かいいことあった?」
何となく日向の表情が前より良くなった気がする。
「んー?別に大したことはないかなぁ。まぁ、なんとか特訓の成果を見せれるかなって感じ?白ちゃんは?」
「私もなんとかなりそうかな。」
最近、日向と一緒にダンジョンに潜ってなかったけど日に日に生傷を作ってきていた日向が心配だったんだよね。
「蓮さんとの特訓どうだったの?魔纏の使い方とか教わってたんでしょ?」
「あー蓮さんも居たんだけど、実はお父さんに見つかっちゃって。しょうがないからお父さんに教えてもらってたんだ。」
あっそうなんだ。でも、家には帰ってなかったよね。許してくれたのかな?
「で、正式にお父さんから白ちゃんの家にいてもいいって言われたからもう少しだけ居候させてね?」
「それは良いんだけどお父さんから何か言われたりしなかったの?私の家だと私しか居ないし。」
「そこは、許してくれないとお父さんのこと嫌いになるって言ったらすんなりと。」
うわぁ、きっと苦渋の決断なんだろうなぁ。
「じゃあ今日から一緒にまたダンジョン行こう!」
「そうだね、白ちゃんの特訓の成果も見てみたいし。」
◆
「さて、久しぶりの初心者の森だね。どうする?私からやる?」
「日向は後でも良い?そこまですごく変わったわけじゃないから日向の後だと恥ずかしい。」
「そんなこと思わないけど……白ちゃん先にやるなら遠い魔物が良いよね。うーんと、ここから西の方向に鹿が2体。狙えそう?」
日向の教えてくれた方向にいる鹿を狙って弓を引き絞る。別に弓は必要ないんだけどこっちの方が遠くまで飛ばしやすいからやってる。
飛んでいった先にいる鹿はちょうど木に隠れてしまう。そこで白は木の左側に矢を飛ばし、角度を変えて右に曲がるようにして鹿に命中させた。即座に爆発させ、隣にいる鹿を巻き込んで消滅させた。
「おぉ〜!ちゃんと曲がって当たったよ!すごい!」
「そこまで褒められるようなことじゃないって……。」
謙遜するけど日向に褒められると勝手にほおが緩んじゃう。バレないようにしないと。
「それじゃあ、私の特訓の成果も見せようかな?お、あっちに丁度いいのがいるね。」
日向についていくと、ウサギ2体に鹿が1体居た。
倒せるのかな、一応用意だけしておこうかな。
そう考えて矢を準備しようとしていると日向が一瞬で移動して3体をほぼ同時に倒してしまった。
「え、今何が起こったの?一瞬で三体とも倒れちゃった。」
「今まで課題だった切り返しの方法を習得したから全部最速で攻撃できるようになったんだ!頑張ったんだから褒めて褒めてー!」
日向の尻尾が凄い勢いでパタパタしてる。可愛いので頭を撫でながら褒める。
「うん、凄かった!これなら狼のところでも戦えそうだね。囲まれてもなんとかなりそう。」
「だね!何ならこの後すぐに行ってみる?」
日向の提案で一旦戻って狼のダンジョンに入ろうとしたんだけど、ゲートに人だかりができていて入らなかった。
『えー現在、Fランクダンジョン、狼平原は調査の為今日は入ることが出来ません。』
ギルドの職員さんがアナウンスをしていて出鼻を挫かれちゃった。
「どうする、日向。」
「うーん、なんか探索する空気じゃなくなっちゃったね。そうだ、買い物でもしようよ。私も本格的に白ちゃんにお世話になるから色々買いに行こ!」
確かに、というか日向と買い物行くの初めてじゃないかな。
「よし、近くのデパートにでも行ってみよう。白ちゃんも何か買いたいものとかあるかな?」
「そういえばいちごジャム切らしてたんだった。後は……生活用品くらいかな。」
「なら、私と一緒に歩きながら色々見て買いたいのを見つけようか!」
日向の提案で近くにあるショッピングモールにいくことに決まった。何だかワクワクするなぁ。
後書き
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