第13話 レベルアップとスキルアップ

 い、いまレベルアップって聞こえた!?聞き間違いじゃないよね……


 そうしたら日向の顔も驚いた表情になってた。

「今、レベルアップって聞こえた!白ちゃんも?」

「うん!やっぱり聞き間違いじゃなかったんだ!それじゃあ日光耐性を上げられるかな!?」

「あ〜うん。かもしれないね。取り敢えずここでスキルアップするのは危ないから【安全領域セーフゾーン】に行こう。」


 なんか日向の様子が変な気がするけど……なんだろう。


 【安全領域セーフゾーン】についた私たちは各々のステータスを表示させた。


「あっレベルの下にスキルポイントって項目が増えてる!これを使えばスキルアップ出来るのかな!?」

「私もそこらへんは知らないなぁ。確か、スキルを押してさらに調べると次に必要なスキルポイントが表示されるとは聞いたことあるけど……」


 すぐに日光耐性のスキルを押してみる。すると日光耐性についての説明が出てきた。



日光耐性

種類:パッシブ


夜に生きる吸血鬼にとって日光は忌避されるもの。しかして強烈なる忌避とは時に求めてしまうもの。近づき燃ゆる者はいつの日か克服する時を待ち望む。


スキルアップまで残り20pt


 

「そ、そんな……私の持ってるポイントは5だけなのに!レベルアップしたらスキルアップ出来るんじゃないの!?」

「あーやっぱりそうなったか……」


 日向は何か知っている風だった。ダンジョンの知識が豊富な日向なら何か知ってるのかな。


「やっぱりってどういうこと?」

「【悪戯】って強い代わりにデメリットも強いでしょ?だから、耐性系のパッシブはスキルアップする為に必要なポイントが多く設定されてることが多いらしいの。私の【攻撃減弱】もそんな感じ。」


 そんなぁ。でも、レベルアップをいっぱいすれば溜まるよね!


「白ちゃんはどうするの、他のスキルを上げる?それとも貯める?」

「えっ、もちろん貯めるつもりだけど?」


 貯めない選択肢ってないと思ったんだけど?他にも何かあるのかな?あ、でも今のままでも外には出れてるし闇属性魔法を上げるでも良いのかな。


「私は【猫爪】を上げようかなって。Fランクのダンジョンだと私の攻撃全く効かなくなると思うから。」


 そういえば、スライムならって言ってたっけ。うーん、私も闇魔法を上げるか、貯めるか考えた方がいいのかな。そういえばまだ試したことないスキルがあった気がする。


「そういえば血液操作っていうスキルがあるんだよね……アバターって血出ないよね?」

「うん?いや、普通に出るはずだけど。」


 あれ。扉前で人差し指が消えた時血は出なかったんだけど?あ、もしかして消滅したから出なかったのかも!


「【血液操作】!やっぱり出ない……。」

「スキルの詳細を見た方がいいんじゃない?」


 ……………忘れてたよ。えーっと、なになに?自他の血液を操るスキルってなんだこれ。


「ごめん、日向。指の先をちょっとだけ切ってくれないかな。」


 私は日向に自分の人差し指を差し出す。ちゅ、注射と同じだよ、きっと。


「【猫爪】い、いくよ?」

「ミッ!」


 変な声が出たけど指先から赤い雫が垂れてきた。


「【血液操作】むむむー」


 なんか血の雫ってスライムみたいだなぁ


「白ちゃん、白ちゃん!白!」

「ふぇっ!?」


 急に日向から呼ばれてびっくりした。で、日向の声の方に目を向けたら日向が……赤いスライムになってる。スライムになってる!?


「ひ、日向!?大丈夫!?ええ〜どうなってるの?」


 私が日向をスライムにしちゃったと思ったら横からぴょこっと日向が顔を出した。スライムを投げ飛ばしてこっちにやって来る。


「急に血が大きくなったと思ったらスライムみたいになったからびっくりした!何したのか言ってみなさい?」


 本気で怒ってる!?そりゃそうだよね、こんな大きなスライムで挟んじゃったんだから。


「えっと血を操作するスキルを使ってる時に雫がスライムみたいだなぁと思って……。」

「で、この大きなスライムが出来たと?なんでこんな大きくなったのよ……スキル詳細に何か書いてないの?」



血液操作

種類:アクティブ


吸血鬼は自他の命の輝きを操る。それは武器にもなり、生物にすらなり得る。ただし、心せよ。真なる生物には足り得ず、其れ全て汝の命である。

 

スキルアップまで残り10pt



……あれ?もしかして私、今死にかけ!?


「白ちゃん?どんなスキルだったの。」

「えっと、なんでもただ作れるみたい?ただ、なんか命を使ってるって書いてある……」

「えっそれ大丈夫なの……?」

「た、たぶん。」


 体にはなんともないんだよね……そういえばステータスの下にまだ書いてあることがあったような?


「ねぇ、ステータスの下にある称号って何か分かる?」

「称号!?あるの、白ちゃん!?」


 えっそんなに驚かれる物なの、これ。あまり気にしてなかったんだけど。


「なんて書いてあるの!?」

「待って待って近いから!!」

「あっごめん。」



【始祖なる吸血鬼】


この世で初めて生を受けた吸血鬼の祖。かの者は自身の血から新たなる生命を生み出したという。


【闇に生まれし吸血鬼】


闇に愛され闇を纏う。光には嫌われるが全ての闇は我が物に。


「なるほどなぁ、つまり白ちゃんが血を出しまくっても死にかけてないのはこの称号のおかげってことか。」

「称号って何なの?そんなにすごいものなの?」


 最初からあったし、そこまですごいものでもないと思って気にしなかったんだけどな。日向が焦るくらいだから凄いのかなぁ。闇に愛されとか煽られてるようにしか感じないけど?


「称号っていうのは世界に認められた証なの。称号があるだけで特別な力があったり、強くなれるんだよ!白ちゃん異常にデメリットが大きかったり、闇魔法がおかしかったのはそのせい!!」


 うーん、日向が興奮してるからそうなのかなぁ。だって私だよ?そんなに強いのかなぁ?


「あーもう、ピンと来てない!とにかく、そういう事なら、闇魔法は後回しで良いかもね。状況によって上げて行った方がいいかも。」

「分かった。」


 つまりは日光耐性のために貯めといていいって事だよね?やったー貯めるぞー!



後書き

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