第12話 パーティー
「そういうわけだからスライムを狩らないとね。どう?サイズとかは大丈夫だと思うけど。」
私は日向からもらったローブを着るとだぼついてたローブが私のサイズに勝手に変化した。
「これ勝手に大きさが変わるの!?凄い!」
「装備タイプのアーティファクトは装備の大きさが装備者に勝手に合うようになるものが多いの。ほら、こっちおいで!」
あっ日光に焼けちゃうって!あれ?
「焼けてない。このローブで体を隠せば死なないんだ……」
「よし!良かったー。こういう時は思い切って行ったほうがいいと思って引っ張ったけどなんともなくて良かった。」
いやいや、死ぬかも知れなかったんだよね!?あ、死んでも生き返るんだった。
「次からはもう少しゆっくりお願いね。私まだ慣れてなくて驚いちゃうから。」
「了解!」
日向は眩しいくらいの笑顔を私に向けてくる。ずるいなぁ、そんな顔されちゃうと怒らないでしょ?
そんなやりとりをしていると私たちの目の前に水色のゼリーが落ちてくる。
「よーし!昨日、白ちゃんは倒してるんだからこいつは貰うよ。」
「うん、見てるね。」
私は少し後ろに下がって日向の様子を見る。私とは違って近接攻撃だからどんな攻撃するのか楽しみだ。
「【猫爪】!おりゃぁ!」
日向はスライムに向かって手を振り下ろした。するとゼリーの体がいくつかのブロックになった。一瞬、引っ掻き傷みたいなのがスライムを切り刻むのが見えた。
「どう!?かっこいいでしょ。」
「うん、かっこよかった!今のどういうスキルなの?」
日向は私の目の前に手を広げてもう一回スキルを発動した。
「【猫爪】は私の爪に連動して斬撃を与えるスキルなの。ただなんでもは斬れないし、一つの攻撃が弱くてスライム以外だと致命傷にするのは厳しいかも。」
「そうなんだ……でもスキルって強くできるんだよね?ならもっと今より切れるようになるってことでしょ!」
私は日向のデメリットはさほど気にならなかった。私は日向を強い弱いで見てないし、日向の素早さなら何度も重ねれば致命傷にできるはず。
「まぁね、あっそうそう。レベルのついてないスキルはレベルアップしないから注意だよ。」
レベルのついてないスキル……確か吸血とかいうスキルは無かったような。
「よし、それじゃあお待ちかねの白ちゃんの魔法を見せてもらおうかな。」
少し緊張するなぁ。でも、私も日向に負けてられない!日向ぼっこするんだー!
「【闇魔法】」
私は周囲にスライムがいないか探す。そうしたら後ろに二体いるのが見えた。
昨日練習したように……鋭く速くッ
どんどん闇は私の思いに応えて槍のように変化していく。
「いけっ」
私の放った闇の槍は一体目をしっかり仕留めた。二体目は隣のスライムがやられたのを見て急いで逃げようとする。
「逃がさないよっ【解除】!」
一体目に刺さってた槍が収束を解かれて爆散する。それに逃げ遅れ巻き込まれたスライムは素材を落として消滅した。
「どうだった?日向!」
私は日向の方に自慢げに笑いかける。最近、自分のことで誇れるようになってきた。日向のおかげだ。
「すご、こんなふうに魔法使ってる人初めて見た!い、今の爆発何!?」
うわっ日向近いって!あ、お日様の匂いだぁ。
「私の匂いに夢中にならない!!ほら、答えて!」
いたた、怒られちゃった。なんで日向は私が匂い嗅いでるってわかるんだ……
「えっとね、私の闇魔法ってそのままだと……【闇魔法】こんなふうに手にくっついちゃうの。だから、魔力を操作して、ぎゅっとすると形になるの。」
「ぎゅって。」
理屈なんてわからないんだもの。しょうがないでしょ?
「それで、その形を止めるのをやめると反動で爆発するの。あ、もちろん爆発させないで消すこともできるよ!?だからそんな引かないで!?」
やっぱり私変なのかなぁ!?
「いや、うん。魔法が爆発とか聞いたことなくてびっくりした。でも、それなら白ちゃんをメイン火力にして、私は陽動をするのがいいかな。」
それって囮ってこと?危ないんじゃ……
「それじゃ、私はスライムを連れてくるから白ちゃんはさっきの溜めといて?」
あっ待って!?置いてかれると私不安なんだけどーー!?行っちゃった。しょうがない、2本くらい溜めておこう。
しばらくして、遠くから水色の波が見えた。いや、あれ全部スライムだ!?
「白ちゃーん!!3、2、1で撃って!!!」
日向からお願いされたとおりに私は撃つ準備を始める。うわぁ近くにくると余計、怖くなってくる。多分、三十体くらいいるよ……
「3、2、1、今!」
「いっけぇぇぇええ!!」
私は2本の闇の槍をスライムの真ん中に撃ち込む。スライムは急に飛んできた槍にびっくりして止まってる!
「【解除】!」
日向がくるまで無理やり溜めてた槍は先ほどの比じゃないくらいの爆発を起こした。
「日向無事!?」
私は日向が巻き込まれたのではと思ってやらかしたと思ったその時、空から何か降ってきた。
ぽてっぽてっ
あ、スライムがまだ数匹残ってる。やらなくちゃ!やみまーーーー
「【猫爪】!お先ッ!」
日向が残りのスライムを全てから尽くした。良かった、巻き込まれてなかったよ……
「危なかったー。まさかあそこまで爆発するとは。遠くから見ても魔力の溜め方がおかしかったから急いで良かったよ。白ちゃん?謝ること、あるよね?」
「ご、ごめんなさい……日向がいなくなって不安になって無意識のうちに魔力が溢れてたみたい……」
日向怒ってるよね……
日向の顔が強張ってるのが見えて怒られると身構えた。
「私も急にいなくなってごめん!まさかそこまで不安をかけちゃうとは思わなかった。ごめん!」
うぇえ!?日向が逆に謝ってる!?いや、こっちが勝手に不安になったのが悪いんだし!
「そんな事ないよ、私が悪いの!」
「いや、私が。」
「「私が悪い!」」
「「ふふっあははは!」」
二人揃って謝るとか馬鹿みたい。こんな会話してみたかったんだ……誰も話しかけてもくれないから喧嘩だってした事なかったから。
「よし、それじゃ喧嘩両成敗って事で!白ちゃん、スライムゼリーを集めるの手伝って?」
「うん!」
私たちは散らばったスライムゼリーを集めながら『レベルアップしました』という声を聞くのだった。
後書き
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