第38話「終わり」
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別れを告げた3人は、もう振り返らなかった。
ピーネは袋を腰に巻き、幸とキヨラを掴んで、空へ飛び立つ。
羽を器用に使って、木々の隙間をすり抜けて行く。
あっという間に迷わずの森を抜けて、まだ日の高い太陽が昇る空に出た。
森の鬱蒼を抜けて一気に現れた空は、幸の目尻を赤くする。
それは青く高くそして、自由でなにより広かった。
星城高校の屋上で、椅子になりながら見上げた空は、狭く暗くどんよりしていた。
それは地獄の中みたいだと……、幸は思っていた。
異世界での空は、幸の心を軽くして何でもできると思わせてくれる。
これからのこの楽奴解放への冒険が大団円で終われると暗示するかのように……。
幸は思う。
_____異世界でもギターしかなかった_____
でもそれでもいいのだ。
ピーネ、キヨラという大切な仲間。
みんなで笑って演奏して、異世界を旅する。
そんな素晴らしい事が他にあるだろうか。
音楽以外の才能0の佐倉幸。
彼が奏でる“異世界革命の唄”。
今始まったばかりである。
…………。
……。
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