第9話 ⭐はっ!!!⭐

ボクは目を覚ました。

お髭先生はお部屋にいない。

診療所の方に行ったかな。

ボクは伸びをして、歩きだした。


そう、結ちゃんのお家に戻らなくちゃ!

結ちゃんが心配だから、様子を見に行くんだ。


島の真ん中の方まで来たからなぁ。

急がなくっちゃ!


遠くの方に海が見える。

キレイな夕焼け空。

ユラユラと揺れる波に夕陽が映って、

キラキラとオレンジ色のお星さまが海に浮かんでいるみたいだ。


あ、瑠璃さんのお家が見えてきた!

ん?何だか様子がいつもと違う。

大きなトラックに荷物が運び込まれている。

瑠璃さんが黒田さんとお話をしていた。

『また急な話だねぇ。寂しくなるわぁ』

『そうですね、やっと島の生活にも慣れて楽しく生活してたのに。』

『ほいで、みんな出ていってしまうの?』

『勇二さんは、仕事が落ち着いてから島を離れるそうです。私と結は明日の朝イチの船で本土に渡ります。』

『ほんとに急だこと。寂しいのぉ。』

何やらお別れの挨拶をしていたようだ。


(ん?引っ越し?瑠璃さんと結ちゃんは島を離れるの?)

『にゃ~~!』

『あら、オッド!』

瑠璃さんに優しく撫でてもらうと心の声が聞こえてきた。

(急にね、結と一緒に島を離れなくちゃいけないの。後で勇二さんも来るんだけど。オッドと離れるのは寂しいね。)


ボクは体を擦り付けた。


(結ちゃんの事が心配だし、離れたくないよぉー。)

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