前へ進め(応援じゃなくてお願い)

歩いていて、急に立ち止まる人にたまに遭遇することがある。東京は沢山の人で溢れかえっているため、いかなる時でも人の後ろを歩くことは日常茶飯事だ。前を歩く人が遅ければ抜いたり、後ろを歩く人が早ければ先に行かせたりと、歩きながら自分がスムーズに目的地へと行けるように考えて動いている。そんな中、唐突に立ち止まる人がいる。なんの前触れもなく、ピタッと止まる。速度を徐々に緩めながら止まるのであれば、後ろを歩く身としても「ああ、この人そろそろ止まるな」と感じ取ることができる。しかし先述のように、急に立ち止まられるとこっちはなんの予想もしていなかった動きに戸惑い、驚きを隠せない。ぶつかりそうになることもあるから、危険な行為である。老人だから、とかそんなのはなく立ち止まる人は立ち止まる。老若男女関係なく、立ち止まる。そこで、僕が実際に遭遇した急に立ち止まる人のケースをここでは紹介(もしくはあの時の鬱憤を晴らすように吐露)したい。

一人目は、井の頭線渋谷駅の改札を出てすぐのところで立ち止まった。推定年齢60代の女性。さっき出したICカードをポケットに上手く入れられず、ちゃんと入れようとしたのか急に立ち止まった。僕は驚いてすぐには避けることができず、後ろから来るサラリーマンに嫌味たっぷりの舌打ちをお見舞いされた。いやいや、悪いのは僕じゃなくて前のババアだっつーの。そのババアは悪びれもなく、ポケットにICカードを無事に入れると何事も無くまた歩き出した。立ち止まることに悪気がないのも嫌だけれど、そもそもなんでICカードを入れるのに立ち止まる必要があった? せめてもう少し歩いて、人の流れが途切れた時に端の方でやってくれよ。こっちは朝から舌打ち浴びせられてるんだってば。そんな声にはならなかった鬱憤をここで一つ供養できた。

二人目は、神保町の古本屋が立ち並ぶ、細い路地で立ち止まった。推定年齢30代のサラリーマン風の男性。その日僕は古本屋をのんびり覗き歩いて昼下がりの神保町を堪能していた。神保町は車の往来がある為、歩道が狭い路地もいくつかある。そんな細い路地に出くわした時、目の前のサラリーマン風の男が急に立ち止まった。その日は雨が降っていて、傘をさしていたぶん視界が狭まるので余計に危険な行為だ。僕は避けようと試みたが、傘同士がぶつかり、水飛沫が僕の衣類にかかった。あー最悪、すっごい不快。それまで楽しく雨の日の古本屋散策を楽しんでいたのに、何だこの仕打ちは。よく見ると、男はスマートフォンを取り出し地図を見るために立ち止まったらしかった。そんなの今やるなよ! もっと大きい通りがこの先行ったらあるんだからさ、そこ行ってからにしよう? お前のせいで服濡れて気持ち悪いんだわ、クソ野郎が。ここでも声にはならなかった鬱憤を一つ供養できました(自分の感情をすぐに吐露できる人間になりたいような、でもトラブルは避けたいからこうするしかないのだ)。

なんかただのストレス発散のための散文になってしまいそうだ。話を戻すと、立ち止まる人はほとんどの場合、自分のことを優先に考えて動いているのが大前提としてある。つまり、後ろを歩く人間のことなんてハナから知ったこっちゃないのだ。

周りを考えないで歩く人間は他にも種類がある。一番の代表例として、集団で道を広がって歩く人間がいる。彼らは一人でいるときには何にもできないチキン野郎のくせに、何故か数人で群れているときにはあら不思議、魔法のパワーがみなぎるのか、大口叩いてヘラヘラしながら周りを見ずにのそのそ歩く。法律が無かったら一番に殺したい人種だ(落ち着け!言い過ぎだよ)。そんな集団の後ろを歩いていると、あるタイミングでそのうちの一人が僕の存在に気づき、「ほら、邪魔になってるって」と仲間を避けるように促し、なぜか早歩きをして抜かなきゃいけない事案が発生する。非常に不愉快だ。

あとは動画をみているのか知らないが、ずっとスマートフォンを注視している人間も嫌いだ。ネトフリとかアマプラとか知らねえよ、家でみてろよ。そもそも映画ってデカいスクリーンと最高の音響で見るからいいんじゃないの? なんかもう僕は若者なのに若者が嫌いみたいです。こんな事ばっかり考えているから、カルシウムが足りないとか言われるんだろうな。ハイハイ分かりましたよ、駅前のコンビニでパック牛乳買ってから家に帰りますよ。なんか変な締め方になっちゃったけど、とりあえず僕はこうなりたくないと、ムカつくヤツらを反面教師にして生きていきたいと思うんですよ。

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日々のモヤモヤ発散日記 永島 弦人 @love_beat_wave

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