裏社会で生きる人々が、長らく迷宮入りとなっていた事件の謎を数十年越しに解き明かす物語。しかしどれほど鮮やかに事件を暴こうとも、そもそも彼らはみな「循環し続ける闇」の住人。救いはなく、カタギの暮らしや普通の幸せが叶う日も永遠に訪れず……。町でひとつの社会が形成されている以上、もちろん限られた人間関係の中では序列が組み上がったかもしれませんが、もっと広い世界へ出て俯瞰してみれば、真の意味で人生の勝者となった者は誰もいないような気がします。
実は、私には最後の設定にある程度読んで、気が付いたのだが、そこまでに持っていく展開力が素晴らしかった。この作品は、最後まで読まないと、価値の解らない作品ですね。お見それしました。これからも、もっと良い作品を発表してください。期待しています。