第37話 レオン視点
ティーチの結婚式は盛大に行われた。
海外からの招待客にはシャリディア王国は安泰だと印象付けることができた。
次期国王のティーチとその伴侶ユナイア王太子妃。
国民からも祝福された2人は幸せそうだった。
ティアとアル兄上は式にも出席したが、子供たちは留守番だ。
まだ幼い子供が長い式に大人しくするのは無理だ。
その代わり招待客がすべて帰る頃に会わせる事にした。
俺は忙しい合間を縫って自宅には帰っていた。
甥と姪の寝顔しか見れなくても癒されたくてな。
その日6年ぶりにティアに会ったルイは、王族らしく堂々とした挨拶の後、目を細めて懐かしそうな顔になっていた。
ティアもあの頃のルイのイメージが強かったのだろう。
懐かしさよりも、落ち着いた雰囲気のルイに驚いていた。
ただセレスがルイに懐いちゃったんだよな。
2歳のセレスにはまだ醜美は分からないと思うのだが、ルイに抱き上げられた時にセレスがルイのおでこにキスしたんだよ。
ティアにそっくりな2歳のセレスのキスに目を見開いて真っ赤になって固まる22歳のルイ。
確かにルイは綺麗な顔立ちだが・・・
すぐにアル兄上がセレスを奪い返していたが嫌な予感がする。
また暴走が始まったら・・・
再教育なんて無理だ!
絶対にイヤだぞ。
ティアは笑っていたが、俺もアル兄上も笑えない。
二度とルイにセレスを会わせるのは止めよう。
アル兄上と同じ決意をしたことはお互いの目を見て分かった。
セレスには俺が帝国まで会いに行く。
ずっと側に置きたいぐらい可愛いセレスをもうこの国には来させない方がいい。
ルイの目の届かないところでセレスを守らないと!
まあ、冷静に考えれば20歳も年の差があるんだ。
心配しすぎたかも知れない。
そうだよな。考え過ぎだ。
セレスが成長するまでにルイも誰かと結婚しているだろう。
いつ結婚してもおかしくない歳だもんな。
ルイには海外からも釣書が届いている。
引く手あまただ。
早く結婚して俺を安心させてくれ!
~13年後~
甘かった。
セレスはアル兄上の血を色濃く受け継いでいたようだ。
アル兄上は1歳のティアが大人になるまで待っていたぐらい一途だ。
その娘のセレスが2歳で出会ったルイを追いかけてシャリディア王国まで留学してきた。
それもこれもルイが35歳になっても独身を貫いているからだ!
20歳も年下のセレスとずっと文通していたんだと!
ティアの15歳の頃に瓜二つのセレス。
もう、アル兄上は諦めたようだ。
はあ、可愛いセレスがルイに嫁ぐ日が来てしまうのか?
やめてくれ!
【完結】 口は災いの元って本当だわ kana @Kana26
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