🔳┳プロフィール・蓮葉


《水妖》こと畔一族の代表。

畔について。住所。


🔳畔について

「対する畔は、山奥の水辺に棲む輩だ。

 山住民族だと山窩サンカが有名だが、連中に伝説扱いされるほど太古からいる。

 川や沼にまつわる神話や怪談は、大半が畔由来らしい。ヌシとか河童とかな。

 そんな人外のむらに、人里を追われた者が加わり、増えた」

「人外って、どういう意味ですか。

 人ならぬ妖怪や魔物が、本当に存在すると?」

「うーん、そこはオレも半信半疑なんだがな。

 ただ、《人間以外》は見たことないが、《人間以上》は何度かある。

 畔が全員そうだからな。《半妖》程度はゴロゴロいる。

 思うに、人間離れした能力の持ち主が迫害され、行きつく場所だったんだろ。

 それが歴史の陰でひたすら《種の改良》を続け、現在に至ると」

「なるほど。面白い分析ですねえ」

「ま、畔のことは《歴史のある悪の軍団ショッカー》くらいに思えばいい。

 覆面の戦闘員じゃなくて、美女集団アマゾネスだけどな」

「確か、畔は女性しかいないんですよね?」

「そーゆーこと」

                    ──【序幕】魚々島 洋 ―海と山と―


■全貌は不明

 畔は徹底した秘密主義だ。情報、とくに組織や内情について外部に語ることを絶対にしない。

 生活様式にほとんど進歩のない魚々島に対し、現代における畔は闇の複合企業コングロマリットへと成長した。専門の研究機関を有し、素性を隠した多数の畔を大企業に潜伏させている。それだけの組織の実態が秘匿され続ける理由の一つが、この鉄の掟だ。五年交流し畔に詳しい洋ですら、その全容については見当がつかない。

                   ──【序幕】魚々島 洋、畔 蓮葉を調える


■恥は戦術

 畔は恥をしつけない。戦いに於いて恥は弱みだからだ。畔が恥じらうとすれば、それは演技。調査や戦闘を有利に運ぶための戦術に過ぎない。

               ──【序幕】魚々島 洋、畔 蓮葉を調える 其の二


■謎の写真

 少女の手にあるのは一枚の写真だ。白黒だが、状況ははっきり見て取れる。背景は海と空。偉丈夫とぽっちゃりした少年が肩を組んでいる。男は笑顔だが、少年はぎこちないそれだ。

 写真を裸の胸に押し当て、蓮葉は祈るように目を閉じた。

                ──【序幕】魚々島 洋 ─海と山と─ 其の二

 

🔳住居:廃スタンド

洋と蓮葉のアジト。

詳細は、魚々島 洋のプロフィール:住所を参照。

https://kakuyomu.jp/works/16817330651484634036/episodes/16817330651908509158


🔳蓮葉の謎

「蓮葉が畔の代表に推されたのは、なんでだ?

 確かにありゃあ《最高傑作》だが、ブレーキの壊れた《失敗作》だよな。

 それに勘当同然のあいつが、畔の代表に選ばれてるのもおかしな話だ」

 白い陽の揺らぎが水面に広がる。洋は姥面の返答を待った。

「……蓮葉が、《最高傑作にして失敗作》だからさ。

 《失敗作》故に、畔は蓮葉を放逐しようとした。

 けれど《最高傑作》故に、惜しむ声も多かった。

 どちらの言い分にも理があり、宗家は二つに割れた。

 さっき坊の言った畔の根幹、それが蓮葉によって崩れ始めた」

「そりゃあ、畔の一大事だな」

「両派は折衷案として、蓮葉をもう一度だけ試すことにした。

 あの子が《神風天覧試合》に選ばれたのは、そういう理由からさ。

 ──おまえさんに預けたことも含めてね」

                  ──【開幕】《神風天覧試合》、始まりの儀


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