白衣を着た人間達はモニター越しに被検者を見ていた。

「どうですか?」


「さっきと同じ反応だな」


「今度こそうまくいくといいですね」


新薬の実験がうまくいかず記憶が消えてしまう……というよりデータのように圧縮され元に戻るという副作用が出てしまっていた。


「あんまり投薬しすぎて死んだりしませんかね?」


「もともと死刑になる予定の囚人だから死んだところで誰も何も言わないだろう」


「まあ、確かにそうですね。

しかし、ある意味いい罰だと思います。

永遠に自分が犯した罪を繰り返し繰り返し

思い出すわけですから」


モニターの奥では自分が犯行に使用したものを不思議そうに見つめている死刑囚の姿があった。



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圧縮 梅田 乙矢 @otoya_umeda

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