136.ボス?
今どうこう考えても始まらない。勧誘については連絡待ちだな。
「身体強化スキルについて聞きたいんだが、取得条件ってわかっているのか?」
「ある程度ということであればわかっている」
「ある程度?」
「身体強化スキルは
筋トレ?
「確率が高いということは、身に付かない奴もいるわけだ」
「早い者なら数回、
高位の
自衛隊では、八等呪位で訓練させているそうだ。十回挑戦して身に付かなければ才能なしとなるらしい。
「私的な見解だが、筋トレを如何に真面目に如何に考えてやることが大事なのではと考えてる」
なるほど、水島顧問の考えは正しいと思う。要するに良い経験を積むということだな。ただ、言われたままに体を動かすのではなく、その結果どうなるか、どうすれば効果的かなどを考えて筋トレすることが大事ということだ。
「ほかに取得条件のわかっているスキルはあるのか?」
「完全と言えるものはないが、いくつかある。武器系、そして君たちがやっていた投擲。基本は反復動作だな。あとはどう戦闘に役に立つのかわからないが、気配察知や気配遮断などだろうか。それも資料に書いておこう」
気配察知と気配遮断、戦闘に役立つかは別として面白そうじゃないか。スキルは日常でも使える。覚えて損はない。
「そういう知識は助かる。早めに纏めてくれ」
「う、うむ……」
目が泳いでいるぞ、水島顧問。
そうこうしていると勇樹がやって来た。
「恢斗さん! 出所したんですか!?」
「「「……」」」
おいおい……。誰が出所やねん! 捕まってもいないわ!
「昨日、人を殺しましたよね?」
殺してねぇし。
「お前ねぇ、奴の怪我を回復させたのを見てただろうに」
「そ、そうでしったけ? なんか、グサッてところから記憶が曖昧で……」
グサッってどこのグサッだよ! こいつにはちょっと刺激が強すぎたか? まだまだ、心が弱いな。もっと、心を鍛えないと駄目だな。狩りの時にもっと精神的に追い込むか。
まだ時間もあるので、昨日の映像をみんなで鑑賞。まだ、誰も見ていないそうだ。俺は向こうで見たけどな。
そして、悲鳴が上がる。勇樹、お前は悲鳴を上げんでいい。女性陣にはちょっとショッキングすぎたか?
勇樹と赤星さんは実際に現場で見てたよね? その時に悲鳴を上げないで、なぜ今悲鳴を上げる。
「わ、私も気が動転していたので、あの時の記憶が曖昧で……」
おいおい、元自衛官だから慣れていたんじゃないのか!
「情け容赦ないわね……」
「恢斗くんを怒らせては駄目ですね……」
「か、恢斗くん、お茶飲む?」
「お、お菓子を、ど、どうぞ……」
「か、肩をお揉みしましょう……か?」
何やねん、これ?
よし、出かけよう。
「行くぞ。勇樹、赤星さん」
「「ヘイ、ボス!」」
ボ、ボスって誰やねん! もういい……行こう。
昨日の騒ぎが嘘のように静かな真夏の夜の戸山公園。
「雪だるまがいるんですけど?」
「雪だるまだな……」
「雪だるまなんですか?」
今の時点で一般人の赤星さんには
そして、俺たちの前にいるのが、悪い顔をした雪だるま。そう、悪い顔をしているのだ。陽気なフォルムをしている割に、可愛らしさがまったくない悪人顔。お子ちゃまが見たら泣くぞ!
ジャック・オー・フロスト 七等呪位 イングランドの民間伝承に登場する寒さを具現化する霜の妖精。イタズラ好きで陽気な妖精だが、怒らせると相手を凍らせて殺すと言われている。
「ジャック・オー・ランタンはいないんですかねぇ?」
俺も一瞬だがそう思った。某召喚RPGが頭をよぎった。
「ジャック・オー・ランタンの顔はカボチャというのが一般的になっていますが、本来はカブなんですよ。人間の頭蓋骨を模したといわれています」
出た! 赤星さんの豆知識。白いカブを繰り抜いて顔にする。不気味だろうな。俺はカボチャの愛らしい顔でいいと思う。
だが、悪人顔なら躊躇なく攻撃できるからいいのかも?
ちゃっちゃと倒して、今日こそはビアホールだ!
(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ
神猫ミーちゃんと猫用品召喚師の異世界奮闘記
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882509999
にゃんたろうの書籍化作品ですにゃ。
KADOKAWA/ドラゴンノベルスから1~6巻絶賛発売中にゃ。7巻も発売に向け校正中ですにゃ。
もちろん、カクヨムでも連載中にゃ!
よかったら、読んでみてにゃ~!
1,300,000文字超えの大長編ですにゃ。
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