< 縺サ繧薙→縺?↓縺翫@縺セ縺 >

ずるり、と。

最後の一滴まで舐めとった骸は、アスカだった存在の額から腕を引き抜いた。

腕に付着した脳味噌、血、髪の毛を味わい尽くすように舐める。


『あぁ………本当に美味しい。やはり最後の最後で叩き落とすと、味が違いますねぇ。』


呟くと、骸は空を見上げる。半透明な天井には星々が煌めき、床に飛び散ったアスカの体液を反射させていく。

流れ星が一つ、また一つと空へ浮かび、燃え尽きて消えてゆく。

ばら撒かれた花弁を踏み締め、踏み締め。


『眠りなさい。君は確かに糧になった。空に浮かぶ星々よ。この者の眼窩に、光を灯せ』


歌うように言葉を紡ぐ骸。

彼はアスカの首を持ち上げ、自分が空けた穴を覗き込む。


『——これにて閉幕、お愉しみ頂けたでしょうか……。』


そのシルエットは。


『彼女らは向かっていったのです。その旅路は常に甘く、尊い。』


狂気、を体現するのに相応しい。




『花咲く、希望の明日へと』




じゅる。

この地球上には、死体と死体が折り重なって存在している。

一片の動物生命が存在しない星で。

彼は再度アスカの額から漏れ出した体液を舐め、空を見上げた。


< 閉幕 >


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花咲く希望の明日へと @aisaku_

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