トゥイッターの始め方

スマホショップに行く際に、雨月が翼の親に化けて、高校生の息子にスマホを持たせるという設定にした。

「わ~、これがスマホか~」

「使い方は僕が教えるよ」

 とりあえず、その日のうちに電話、メール、ラインを教えた。

「さすが、若いから覚えが早いね~」


「雨月、トゥイッターってやってる?」

「うん。やってるよ」

「池田さんがやってるんだって。僕もやってみたい」

「分かった。教えるよ」

 実は、雨月は廃トゥイッタラーとも言える程、やり込んでいた。

 雨月はアニメやゲームが好きだから、というのもあった。トゥイッターは、それらとの相性が良いのだ。

「まずはアプリをダウンロードして」

「うん」

「アカウント、っていうのを作るんだよ」

「あかうんと?」

「何ていうのかな……。そのサービス、トゥイッターを利用するために必要な、自分自身の部屋みたいなものだよ」

「へぇ」

「次に名前と、電話番号、生年月日を入力するんだけど……」

「名前は翼だね」

「うん。……電話番号は、ショップで決めてくれたよね。090―××××―○○○○って入力して」

「うん」

「生年月日は、翼が拾われた日でいいかな。自分が生まれた日とか覚えてないよね?」

「うん」

「ええっと、翼を拾った日は20××年、いや16歳って設定だから20×○年、12月20日。入力して」

「うん。……出来たよ」

「認証コード来たでしょ」

「メールだね。うん」

「それ入力して」

「うん」

「はい、アカウントは出来たよ。次はプロフィールも考えようか。学校用のリアルアカウントだから、分かりやすいのがいいよね。まずは写真撮ろうか」

 雨月が翼のスマホのカメラを起動し、写真を撮る。

「うん、これでいいかな」

 若干、証明写真ぽいなとは思ったが、インスタグラマーのように、そこまで写真にこだわりはなかったので良しとした。

「何か呟いてみてよ」

「何がいいかな」

「#初めてのツイート」

「翼です。よろしく」

「うん、それでいいよ」

「何か返事来るかな」

「僕がしておくよ」

 雨月は流れるように、新しいアカウントを作り、翼を見つけ、フォローし「よろしく」とリプをした。

「わ~、返事来た~」

「こういうのをリプライ、略してリプって言うんだよ」

「りぷらい、りぷ」

「じゃあ、明日はこのアカウントを池田さんに見せてみて」

「うん」

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