色々疎いよ、白夜さん

「雨月~、僕もスマホ欲しい~」

「そうだね。今の高校生はほとんど持ってるし、翼も持ってた方が自然だよね」

 雨月は既にスマホを持って、現代人と同じく、使いこなしていた。

「明日ショップに行くよ」

「そういえば、トゥイッターって何? 池田さんがやってるって」

「SNSの一つだね」

「えすえぬえす?」

 丁度、風呂から出てきた白夜が聞く。

「そうか、白夜様はやっぱり知らないか。スマホやパソコンから連絡を取り合ったり」

「すまほ……」

「ああ、そこからか」

「これだよ」

 雨月はポケットからスマホを取り出して、白夜の目の前に出す。

「この薄い箱に色々と入っているのか」

「白夜様は壊しそうだからダメ」

 白夜はスマホを取って見ようとしたが、雨月に阻止される。

「明日、翼とスマホ買いに行くけど、いいよね?」

「まあ、好きにしろ」

「白夜はスマホいらないの?」

「いらん」

「そういえば、白夜は今日、学校どうだった?」

「問題ない」

「本当?」

「ああ」

 実は、大問題だった。

 まずカタカナ語が通じない。現代文化に疎い。

 極めつけは、教育実習生のくせに、やけに偉そうな態度。

 生徒や教師の間で、一日で有名になった。


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