よく分かる異世界語講座

 既に作中でも語られている通り、この世界の文字はアルファベットが用いられており、単語や文法なども現実世界の英語とほぼ同じです。そのため勇者は筆談を通じてやり取りができました。

 しかし発音に関しては独自のルールに基づいているため、ルールを知らないと意味不明な言葉にしか聞こえません。

 勇者は魔法によって言葉が聞き取れていましたが、腕輪の力によってかけられていた魔法が解けたためになーんにも分からなくなりました。一方でフランツは自力で言葉を覚えていったため、アレンたちともスムーズにコミュニケーションが取れていました。

 具体的にどのように発音するのかは単純で、英文をローマ字読みするだけです。


例1

①英文を書く

I have a pen

②ローマ字読みする

いはヴぇあぺん

③カタカナにする

イハヴェアペン


例2

①英文を書く

My name is Allen 

②ローマ字読みする

Myなめいsアレン ※1

③ローマ字読みできないものはアルファベット読みに変換する ※2

えむぃなめいえすアレン

④カタカナにする

エムィナメイエスアレン


※1 人名や地名などの固有名詞はローマ字読みしない

※2 アルファベット読みできない場合は下記の発音表に従う


aア

bビ

cシ

dディ

eエ

fエフ

gジ

hエチ

iイ

jジェ

kケ

lエル

mエム

nン

oオ

pピ

qキュ

rアル

sエス

tティ

uウ

vヴィ

wゥ

xエクス

yィ

zゼト


 作中に出てきたソラール商会のソラールとは「solar」のことで、ルールに当てはめると以下のようになります。

①英文を書く

solar

②ローマ字読みする

そらr

③ローマ字読みできないものはアルファベット読みに変換する

そらある

④カタカナにする

ソラール

 だったら商会も英語にしろという話ですが、そこはご愛敬。また女神編のラストでガラルドが披露した「救い」と「巣食い」をかけたダジャレですが、「異世界語に変換すると成立しないのでは?」という点もご愛敬。

 それでは最後に、作中で彼らが何と言っていたのかを見てみましょう。


●「第110話 ただいま」より


「ウォタレヨウドーインジ!」

→What are you doing!(何をしている!)

「ウォタレヨウドーインジ! ドンティモーヴェ!」

→What are you doing! Don't move!(何をしている! 動くな!)

「ウァテャッペネディ?」

→What happend?(どうした?)

「ヘーヲケウピ!」

→He woke up!(奴が起きた!)

「ホエルィシティ!」

→Holy shit!(クソッ!)

「ゴーアワィ!」

→Go away!(離れろ!)


●「112話 手掛かり」より


「ロオケティヒエス!」

→look this(これを見てください)

「……ゥハティアレヨウサィィンジ?」

→What are you saying?(何を言ってるんですか?)

「イチエスダンゲロウエス! エスタィアワィ! ヘィ! ドンティラゲ!」

→It is dangerous! Stay away! Hey! Don't rage!(ここは危険です! 離れて!おい! 暴れるんじゃない!)

「……イドンティケノゥゥハットティヨウアレサィインジ」

→I don't know what you are saying(あなたが何を言っているのか分かりません)

「……ワテアル」

→water(水)

「……ティレエ」

→tree(木)


●「プロローグ0(前編) ~変身~」より

「……ゥハティアレヨウサィィンジ」

→What are you saying?(お前は何を言っているんだ?)

「イドンティケノゥゥハットティヨウアレサィインジ。アエスケソメオネエエルセ」

→I don't know what you are saying。ask someone else(お前が何を言っているのか儂には分からん。他を当たってくれ)


●「プロローグ0(中編) ~追及~」より

「ゥハティスティヒス?」

→What is this?(これは何だ?)

「ウハティスティハティ」

→What is that(あれは何だ)

「パールドン?」

→Pardon(もう一度言ってくれ)

「ゥハティアレヨウサィィンジ」

→What are you saying?(あんた、何と言ってるんだ?)

「イドンティケノゥ」

→I don't know(俺は知らない)

「ドヨウワンティトレアディアボオケ?」

→Do you want to read book?(本が読みたいのか?)

「フォエルロゥメ」

→Follow me(ついて来い)

「ィエエス。イカントレアディ」

→Yes。I can to read(あぁ、読める)


●「プロローグ0(後編) ~出会い~」より

「ゥホアレヨウ?」

→Who are you?(お前は何者だ?)

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