産業保健師 里菜の勉強ノート㊱ 【傾聴】→【Episode⑤】(完)
【傾聴(active listening/listen attentively)】
米国の心理学者カール・ロジャーズにより提唱された。相手(クライエント)が話したこと、伝えたいこと、願っていること等を、受容的かつ共感的な態度で「聴く」こと。相手への理解を深め、納得のいく結論や判断が出来るようにサポートするねらいがある。
傾聴の概念は心理カウンセリングの技法から始まっているが、非常に有用であることから、看護、子育て、コーチング、ビジネスなどでも広く活用されるようになった。
傾聴における聴く側の3要素として「共感的理解」、「無条件の肯定的関心」、「自己一致」が挙げられている。
(以下、厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」より引用)
1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。
3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
➢関連ワード「クローズドクエスチョン/オープンクエスチョン」
『ハ タ オ ト !~働くオトナの保健室~(産業医と保健師のカルテ)【Episode⑤】』(完)
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読者の皆様へ
こんにちは! または、こんばんは! 作者の かまくら はじめ です!
今回も長かったEpisode⑤・・・・・・。書き始めから終わりまで合計10ヶ月も経過してしまいましたが、なんとか無事に最後までたどり着くことができました。ここまでお読みくださった皆様、本当にありがとうございます!!!
「ハタオト」は全⑩Episodeくらいを予定しておりますので、おそらくここが折り返し地点くらいでしょうか?
2023年1月から書き始め、足立さん・鈴木先生の世界では半年間くらい(秋~春)の出来事を描くつもりが、現実世界ではどんどん数倍の時間が流れていきます(汗)。
この業界は、世間の雰囲気や法律も変わっていきますので、今後はペースアップして執筆していきたいです。
えー。さて。砂見礼子さんの課長昇進話を軸にしながら進んだEpisode⑤。いかがでしたか?
いつもながらなかなかシングルイシューには纏められず、貿易・物流業界を背景に、ストレスチェック・中間管理職問題・ジェンダー・DXなどについて書きました。
「ハタオトEpisode⑤」作中では、ゲテモノ料理が好きな変わり者の貿易商が出てくるシーンがあり、そこで彼が「『アレクサンダー大王は領土の果てで嘆いた。“もう征服する土地がない”と』」・・・・・・という独り言を言っています。
ネタばらしをしますと、これは映画『ダイ・ハード』の一作目からいただきました。ブルース・ウィリス主演のあの映画です。
『ダイ・ハード』の一作目は1988年にアメリカで公開されています。私はこの作品をごく最近見ましたので、当時はまだブルース・ウィリスにも髪の毛があったことや、30年以上経っての時代の変化などをふくめ、興味深く感じました。
『ダイ・ハード』が公開された当時はまさに「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代。主人公(演:ブルース・ウィリス)の妻は、ロサンゼルスのドでかい超高層ビル(「ナカトミ・プラザ」)に入居する架空の日系商社「ナカトミ・コーポレーション」で会社員として働いています。
そして主人公の妻は、「日本企業は既婚女性をよく思わないから」と言ってわざわざ旧姓表記で働いていたり、オフィスにある家族写真入りの写真立てを伏せていたり、営業成績をあげたご褒美に社長からロレックスの時計をもらっていたりして、今とは違うイケイケの日本に対する、なんとも言えないアメリカサイドの感情+仕事と夫婦のモヤモヤが伝わってくるようでした。
そんな主人公の妻の勤め先、日本企業「ナカトミ・コーポレーション」のタカギ社長は、武装グループに狙われ、襲われて捕まってしまうのですが、タカギ社長に対して武装グループのボスが言ったのがさきほどのセリフ・・・・・・『アレクサンダー大王は領土の果てで嘆いた。“もう征服する土地がない”と』です。
当時、戦争には負けたけど経済では負けないぞ! とでも言わんばかりにアメリカ本土にまで進出して貪欲に勢力を拡大していた日本に対する、欧米サイドからの皮肉を込めたセリフだったのかもしれません。もしくは飽くなき拡大を続ける資本主義に対するものだったのかも?
・・・・・・とにかく、『ダイ・ハード』公開からもう36年が経過しまして、今の世の中を見渡すと世相はガラっと変わってしまっています。日本のGDP成長率は振るわず、おもに男性社員の滅私奉公をベースに成り立っていた(ナカトミ・コーポレーションのような)日本企業の破竹の勢いはすっかり消えてなくなりました。が、一方で30年以上経った現在でも日本では、既婚女性が働くことのハードルの高さ、そして男性側は兵隊であることを強く要求されがちな組織文化は、あの頃とあまり変わっていないのではないでしょうか。
「変化」と「
そんなこともぼんやり考えながら、本作を書いておりました。
また、Episode⑤の最後では『株式会社E・M・A』にも変化が訪れる予感を描いています。ここから作品全体の終わりごろまでに、同社にも何かが起こるのかもしれません。
というわけで、働く人を支える産業保健職の楽しさと面白さ、難しさ。少しでも伝われば嬉しいと思いながら「ハタオト」を書いております。
アマチュア小説が多くの人の目に触れることは、なかなか難しいものです。
それでも私は書きたい、伝えたい。
まずは下手でもいいからやりきること。それを目標に次Episodeも書いていきます。
最後に皆様にお願いです。
もし、この作品を少しでも面白いと思ってくださいましたら、お気に入り登録やいいね、掲示板やSNSでの拡散など、是非ぜひ応援のほどをよろしくお願いします!
ご意見・ご感想もお待ちしております。
X(Twitter)やっています(https://twitter.com/@Goto_Kamakura)。
働く大人の皆さまに、今日も幸せがありますように!
作者:かまくら はじめ より
※ 次(Episode⑥)の初話スタートまでは、しばらく間が空くことになりそうです(更新話の貯めをある程度作り、一定の更新頻度でテンポ良く読者様にお読み頂けるように準備するためです)。再開タイミングはSNSでも発信しますが、作品を「小説のフォロー」にご登録いただけると更新通知がわかりやすいです。ぜひお願いします。
※※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
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