第7話 バレる
俺は席に着くと本を読み始める。
すると、俺の数少ない友達、
星也は陽キャで、陰キャの俺にも分け隔てなく接してくれる。
「なあ湊、朝、鶴橋さんと腕組んでたじゃん。まさか、そういう関係になっちゃたとか?」
「まさかぁ」
「そうだよな、そんなこと滅多にないもんな」
「私と湊くんは付き合ってるよ?」
みんなに聞こえないようにこそこそ話してたのに、凜が話に入ってきた。
「えっ、もう一回言ってもらっても」
「私と湊くんは付き合ってるよ?」
「えっ、マジか! みんな、聞いたか! 臨海くんと鶴橋さんは付き合ってるらしいぞ!」
あ、バレた。
凜は奇妙な笑みを浮かべている。
周りはざわつき始める。
「あの陰キャと才色兼備の凜様が!?」
「絶対何かの間違えだ!」
「陰キャなんか釣り合ってねぇよ!」
「俺と付き合おう!」
そこに凜が一言言う。
「私が湊くんのこと好きなの。命の恩人だから」
みんなが呆れる。
「あの陰キャが命の恩人なわけないじゃん」
「むしろ、凜様の足手まとい」
「陰キャは消えろ」
だが凜は愛を証明していた。
「んっ、ちゅっ、はぁぁ、ちゅっっ、んっ♥️」
嘘、だろ。
凜にキス、された!?
ファーストキス!?
これには、さすがにみんな驚いた。
「あの陰キャに凜様がキス!?」
「見なけりゃよかった...」
「は? 俺の初恋は陰キャによって壊されたのか?」
「お幸せに...」
さらに、ざわつく。
「まあ、精々頑張れ」
星也、お前がバラしたんだろ。
責任取れよ。
「本当は、私がバラすつもりだったんだけどな。あぁ、湊くんのファーストキス奪っちゃったよ~!」
俺は言葉が出ない。
昨日は凜に告られ、今日はファーストキス。
展開が早すぎる。
めっちゃ、恥ずかしい。
「おーい、うるさいぞー。静かにしろー」
隣のクラスの先生が注意しにきた。
それでも、ざわつきは収まらなかった。
才色兼備だが奇妙な女子生徒 @777hio0tty
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