白線はグチャグチャ

かさねたばかりの温度が仇になって見失った道しかなくて

ぼくたちのただしくなさの証明はあなたがいちばんしってるはずだ

君が良いと言っていたものがすこしも良いと思えなかった、ごめん

言葉の温度が似てしまった あなたの手もはなせなくなってしまった

カフェオレにガムシロップを入れないでミルクが濃いねと笑うのがすき

線引きをできるふりして手離した小指の先にあった左手

全身で安寧ばかり祈ってたはずなのに叶わないのは酷

アッシュブラウンの瞳が丸くなる このやさしい電球のもと

適量の粉砂糖でも僕の身にはあますぎて糖尿病になる

明日からきっときちんと頑張ります生活します頑張ります

ぬるま湯に溶かれた声のすき間から街のあかりへおよぐせいかつ

ひとつずつ指をかぞえて重なった右手のうちへ折りこむ光

花の名をしらない僕へ花の名をしらない声が被さりおちる

ドーナツみたいに甘くないのにパンケーキみたいにやわらかな音

手のうちの世界を愛していたいがためにいま一度祭壇をつくる

剥離した声はうしろに隠したままでいっしょにミルクティーを飲む

満たされたコップのふちからすこしずつはちみつを飲み下すこの生

カーテンのむこうの光はあんまりにまぶしくてうつくしくてよかった

無人島みたいなかおで黒煙を吐きだす夜道にゆるされたくて

ぼんやり甘い三温糖を食べたみたいな日々だけ信じていたい

ひとつずつ生きるめを知る僕たちのたしかにここに瞬いた影

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