やさしさと嘘
差し出した小指はいつも厭うてるわたしみたいになにもしらない
真っ白なシャツから海のゆめをみる たぶん繋いだ温度とおなじ
やさしさに気づけなかった親指に触れるばかりの人生なんて
オレンジを溶かしたような音とかと温度だったし指切りだった
十二時の鐘は鳴らない 明日にはやさしさだってうそにならない
新月を沈めたような海のなか左手だけはほんものだった
駅の隅で揺れる花のようにはならない、まだあなたの夢を追う
いなくなるまでずっと背を追っている視線がいつかうそになっても
すこしずつさみしい夜がすきだった ひとりでいていいような気がして
懐古主義者にモテそうな本を読む僕を好きな君はうそだろ
ひとつでも奪えていたら雨はまだ夏ごと飲み込んでいただろうか
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