第11話 逆セクハラは日常

——結婚式当日。


今日は時間がないから、朝のご奉仕はなしだ。

朝から侍女がたくさん来て、俺は竜族の礼服に着替えさせられた。


レッドドラゴンの鱗で作れられた立派な鎧。

竜族は戦いの種族だから、礼服は鎧なのだそう。

ずっしりと重くて、動くのが辛い。


着替えの最中、侍女たちにめっちゃくちゃセクハラされた。

俺のお尻や股間を触ってきたり、逆にあっちの胸やお尻を触らせてきたり……


俺の専属侍女、ロゼさんが言うには、侍女たちは男にすごく飢えてるらしい。

男女比1:10000のこの世界では、女性の多くは一生結婚できないし、彼氏すらできないらしい。

だから貴重な男を見ると、イチャイチャしたくてたまらなくなるそうだ。


「とってもカッコいいですよ!リュート様!」


ロゼさんが褒めてくれる。

猫耳がピンっと立ってかわいい。


「ありがとう……でもかなり重たいよ。こんなの着たまま、結婚式に出るのは無理だ」

「これが竜族の伝統なのです。我慢してください」


竜族は昔からの伝統や習慣を重んじるらしい。

獣人のロゼさんが俺の添い寝役なのも、それが伝統だからだ。


「先ほどは、侍女たちがご無礼を働き申し訳ありませんでした。後で侍女長から注意させますので」

「まあ……ちょっとびっくりしたけど」

「皆、殿方に飢えていますから。しかし、竜王様にご無礼を働くことは許されません」


そう言うロゼさんも、添い寝の時はかなりセクハラをしてくる。 

俺が目を閉じると、さりげなく股間を触ってくる……


「リュート様、お迎えに上がりました」


俺を護衛する女騎士、セリスさんが来た。

銀色の長い髪は相変わらずきれいだ。


「立派なお姿ですね。……今日は城内に人がたくさん来ますから、刺客が混じってるかもしれません。どんな時も、決して私の側を離れないでください」

「そうします」


真面目な話だったのだけど、


「……ふふ。鎧をつけると、リュート様のかわいいお尻を触れませんね♡」


セリスさんは鎧越しに、俺の尻を撫でた。


「セリスさん!いけません!そんなはしたないことを竜王様に言っては!」


ロゼさんが顔を真っ赤にして注意する。


「すみません……ついついリュート様を見ると触りたくなってしまって」


セリスさんは悪戯ぽっく笑った。


昨日、一緒にいる時もセリスさんは、ずっと俺のお尻を触っていたからなあ……


セクハラのある日常に慣れないとな……



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【★あとがき】


モチベになりますので、


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竜族の姫様と強制結婚させられた件。貞操逆転した異世界に召喚された俺は、交際0日で姫様と番(つがい)になりました。童貞なので心の準備が…… 水間ノボル🐳@書籍化決定! @saikyojoker

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