【幕間】幼なじみはお兄ちゃんを癒したい。 ~ほのかの場合~ 中編



 ほのかの密着と囁きで、どんどんと増していく硬さ。それを感じ取ってなおさら僕をイジるほのか。


 ほのかに腕ごとハグされながら、その柔らかさとエッチな声、表情に僕のリビドーが高まっていく。


 ヤバい!


 僕がエロい反応をし始めると……ほのかに更にからかわれる!


「お兄ちゃん、一生懸命深呼吸してるけど無駄無駄無駄無駄ぁ! ほのかのターンは続くのっ!」

「ズルいぞほのか! お兄ちゃんにもターンを寄こしなさい!」

「だめえ~☆コツコツがグリグリになってきてるもん! ほのかの柔らかお尻とつるつるちゃんはそんなに気持ちいいのかなあ~?」


 ぎゃああ、追い打ちをかけるなあ!

 何でお尻をずり下げていく!


 生々しい温かさが!

 柔らかいのが僕の上でえ!


「うっふ……ほのかヤバいかも、ん、ふ。それにこれは大チャンス! お兄ちゃんをびゅるびゅるさせれば夢オチでごまかせるし……」

「びゅるびゅるとか何かイヤらしい言い方するのはやめなさい! それに夢オチでごまかすって?! この状況で寝れる訳ないでしょ! 早く! 早くどいてえ!」


 刺激され過ぎて、痛いくらい固くなってきた!

 こ、こすれて……!


 円周率、漢文、仏語、いろはにほへと……!

 集中しろ、集中しろ、集中しろ!


 これは! ほのかが泊まりに来て、いつもみたいに寝ぼけてるだけ!


 ……おお?!

 心なしか、収まってきたあ!

 

 そうそう、寝ぼけたほのかにしがみ付かれてるだけ。寝言を言ってるだけの、可愛い妹分。


 そして僕のは、朝のいつもの生理現象。

 

 ……ふう。

  

 よしよし、心も体もいい感じに落ち着いて来た。そりゃそうだ

 無邪気に寝てる妹にそんな不埒な真似、できる訳ないだろう?

  

 お兄ちゃんはハプニングにも対処できるのだ、ふふふ。


「んしょ……よいしょっと」


 全く、ほのかといい葛といい……よいしょ?

 何をしてるんだ?


「パンツ脱いじゃった! 見て見て! こんなにぷっく」

「どっせえいいいいい!」

「ひょわあああああああ?!」



「ほのか、そこにお座りなさい。お兄ちゃんのお説教タイムです」

「はいっ!」


 あ、危なかった!

 危なかったあ!


 火事場の馬鹿力とは、この事かも。ほのかは跨ったまま、何を見せようとしてくれちゃってんだ!!


 流石にやりすぎのほのかに、お説教タイムである。


 そう。


 スカートをたくし上げたほのかの女子領域を下から見上げた瞬間に、腕の拘束としかかりが外れている事に気づいて押しのけ、ベッドから転げ落ちて今に至る。


 見えてない!

 見てないから!


 真っ白な太ももの、その上なんて!


 ベッドからワザと大きく離れた場所で、人差し指をビシビシと振りかざしながら、女の子座りをするほのかに……どうお説教をするか思案中なのである。


「さて、ほのかさんや」

「はいっ!」


 ガッツポーズをしながらの返事はやめなさい。

 可愛いじゃないか。


 あああ!

 そうじゃない!


 お兄ちゃんは怒ってるんだぞ?!

 本当に今からお説教だぞ!


「元気がよろしいっ! ……じゃなくて、ニコニコしても可愛く返事しても、癒されてほっこりしたりしないんだからねっ!」

「はいっ!」


 くうう。

 やっぱりダメだ。


 ほのかがあっという間に作り出したマイナスイオンのほのぼの空間に、力が抜けていく。僕、本当にほのかと葛には甘々なんだよなあ……。


 でも、ここは気合いだ。

 ほのかが悪ふざけをし過ぎたと言えよう。


 あんな事を当たり前のようにするようになったら、僕の心と体が耐えられません。こんな調子のほのかをそのままにしてはおけない。


 良くない事は良くないってちゃんと言ってあげないと。だって僕にとって、ほのかも葛も大切な大切な家族みたいなものだから。


 よし。


「なあ、ほのか。もう子供じゃないんだから、無警戒にお兄ちゃんに……は、肌を! そう、体の一部をっ! 見せるのはやめなさい!」

「えっ? ほのかはお兄ちゃんだから報告しただけだよ? お兄ちゃんで興奮してオマメさんがこんなになったん……」

「だ・か・ら! スカートを捲り上げるな!」

「ふんぬぬぬぬぬっ……お兄ちゃんのいけずー! そんなイジワルするからほのかもいけずーになっちゃったんだから! もう少しだったのにぃ」

「いいから、おパンツを履いて!」


 あああ!

 僕、慌てすぎだろ!


 また元の流れに戻されそうだ。

 落ち着け。

 大事な所だぞ?


 何がもう少しか、は多分聞いちゃいけないやつだろう。ここで話題に乗っかってはいけないのだ。


 あの、ゴソゴソと太もも動かすのやめて。ニマニマしないで下さい! お兄ちゃんはパンツが主食じゃないから! 顔に押し付けるなあ!


「ほのか! いい加減にしなさい!」

「えへへ! 慌てるお兄ちゃんも可愛い☆」


 全くもってペースがつかめない。

 ほのかのターンのままじゃないか。


 ……あれ?

 これ、まさか夢?


 そのうちに、ほのかが。


『これは夢だから、ほのかに何してもいいんだよ? お口いっぱいに? ぬるぬるさんとかしわしわさんの奥にびゅるってしちゃう? そ・れ・と・も~……全部? ばっちこいっ!』


 ……とか言い出すんじゃないか?


 でもなあ。

 でも、ダメだ。


 今日の夢はほのかや葛が泊まりに来た時に見るのよりも生々しい。こんなの……夢だからって、このままなし崩しでリビドーを放出してしまったら……ほのかの顔をまともに見れなくなりそうだ。


 やっぱり夢の中とはいえ、二人に尊敬されるようなお兄ちゃんでいたいじゃないか。


 よし。

 じゃあ、気を取り直して。


「なあ、ほのか。お互いが小さい頃ならまだしも、僕達はもう大人だ」

「うんうん! お兄ちゃんのゴリゴリさんはどこからどう見ても大人だもんね!」

「いや待て。そうじゃなくって! ……ほのかは僕から見たら大切な家族だ。お兄ちゃんは夢とはいえ、ほのかを大事にしたいん……」

「あー! お兄ちゃん! おっきな蚊がいるよ、えいっ!」


 蚊?

 

 ぎゃああああ!


「もがあ! ほのっ?! そんなにぎゅうってしたらお胸で息が」

「はい、お兄ちゃんのターンしゅーりょー!」


 ストップ!

 ダメえ!


「もがあ!」

「ほのかの柔らか~お胸クッションで初めからね☆」


 初めどころか、僕の人生が終わりませんか?!


 それにこれ、現実?!


 僕のターン、終わります!

 ほのかのターンでいいからあ!


 


 

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