【Special Ep③】第32話 かくなる上はっ! 〜お兄ちゃん、早くぅ!〜
「見るんだ、ほのか。絶景だと思わないか?」
「心が癒されるねえ~」
月光に染まる湖の中央に、ぷかり、と浮かぶ月の画像。
同じ地球上にあるファンタジア。まるで、おとぎ話の世界。もしかしたら、目を凝らせば精霊や妖精の姿も映り込んでいるのではないか。
ゴーグルマップ。
素晴らしい。
「ねえねえ~。オシオキまだ~?」
あ、あと少しだけ待ってえ?!
●
ほのかの身振り手振りが凄すぎて、そびえ立ってしまった僕はオシオキどころの騒ぎではなくなってしまった。
だって。
両手を上に掲げて縛られた風のほのかが苦しそうに顔を歪ませながら、太ももをくねらせているとか。
僕の理想を具現したような彼女が息も絶え絶えに、『お兄ちゃんダメえ、ううー』とか言いつつ口を開けて長い舌をちろちろ
しかもほのかは、高校卒業まで待ってほしいという僕の言葉を渋々と受け入れたに過ぎない。隙あらば僕をハニートラップに平気で巻き込んでは僕の理性に攻撃を仕掛けてくるから恐ろしい。
☆
見て☆お兄ちゃん専用の、ほのかのお部屋はここ。きゅうきゅうのあっつあつだよ?
ほのかは、お兄ちゃんの彼女なんだから。ごんごんびゅびゅーって、遠慮しなくてもいいんだよ?
ほのかは、か・の・じょ☆
かー・のー・じょっ♪
☆
週末、本当にヤバいのである。
とはいえ。
毎週、我慢し続ける僕にしびれを切らしたほのかがオシオキを発動し、手を縛られて目隠しされている最中にそんな風に囁かれると。
結局は僕からは何もできないので、ほのかが僕をからかってるだけなのではないかとも思う。
そのからかいでお兄ちゃんにとある部分はおっきくなったり縮こまったり、お兄ちゃん本体はエッチな夢ばっかり見たり大忙しなんだけどね。
僕にとって、週末は可愛い彼女達と目いっぱい一緒に過ごせる楽しくて幸せな時間であると同時に、自分との闘いなんだよなあ。
んで、結局はエロい夢を見まくってリビドーを消化してしまうのだ。でも、そのおかげで何とかほのかの卒業まで我慢できそうなのだから不思議なものである。
ふふふ、お兄ちゃんは踏みとどまれる子なのだよ。
今日だってほのかへの初めてのオシオキを堪能しつつ、余りエロエロにならないように、いちゃいちゃしてみせようではないか!
●
「もー! お兄ちゃん、また考え事してる!」
「あ、ごめ……お、おお?!」
しまった。
また考え事をしてしまった。
ほのかが頬を膨らませて覗き込んでる。
……頃合いか。
よし。
「ほのか。途中でごめんなさいしても、止められないかもしれないぞ? お兄ちゃんの本気を見せてやろう。まずはベッドで横になりなさい」
「……は、はひ。ほのかに、本気のオシオキして下さい」
赤らんだ顔で見上げたほのかがベッドに上がった。仰向けで顔だけを僕に向けて、潤んだ瞳で見つめてくる。
制服越しに大きな膨らみを見せる双丘が、激しく上下している。スカートが捲り上がらない程度に曲げた足も色っぽい。
そんなほのかを見て興奮している事を悟られないようにゆっくりとベッドに上がり、ほのかの膝の間に右膝を割り込ませる。
「あ、ああ。お兄ちゃん……何か……何か、やーらーしーいー!」
唇を尖らせて顔を背けるほのかの太腿が、きゅうっ!と閉じ、膝を挟み込んでくる。
よしよし、出だしは順調だ。
興奮と緊張とドキドキで鼻血出そうだけど。
でも。
まだまだだよ、ほのか。
ふふふ。
胸に添えて握りしめている両手を、左手で片方ずつほのかの頭の上に持っていきほのかの腕を拘束する形にした。
……はあっ!
はあっ!
はあっ!
自然と近づいた顔。
ほのかの息が、顔に吹きかかる。
エロい。
舌舐めずりをして荒い呼吸を繰り返すほのかの愁いの表情は息が荒く、熱く、甘い。
もじもじと動かす太腿を、僕の足に摺り寄せてくる。
やればできるじゃないか、僕!ラノベをじっくりと何度も読み返した甲斐があった!
緊張のあまりに分身君が反応していないのが気になる所だが、これなら多少オシオキをしすぎても羽目を外さずに済むだろう。
よ、よし。
次だ。
そっと、ほのかの頬を撫でる。
一本の指で。
手のひらで。
そっと、何度も繰り返す。
「あんっ! あ、あ、やあっ」
「おやおや、そんなイヤらしい顔と声で。どうしたんだい?」
「だって……だってえ! あ! 耳、ダメえ!」
しまった。ほのかの反応が可愛すぎて触りすぎてしまった。
ほのかが、拘束している手を両手で握りしめて藻掻く。
その指が。
太腿が。
息が。
絡み合う。
「お兄ちゃ……お兄ちゃん! イヤらしいほのかにオシオキして? ほのか、悪い子なの! だから、だからあ!」
息も絶え絶えに訴えかけてくるほのかが、膝をすりすり、と僕の股に擦りつけている。
ヤバい。
僕もヤバい。
が、下を見やれば。
ブレザーで巨大さを隠しきれていない胸と、摺り上がったスカート。
前を見やれば。
口を開け、まるで何かを求めるように舌を出しているほのか。
ここだ。
ほのかが興奮しまくってる今がチャンスだ。
腹に力を入れて、ほのかの耳元で渾身の低音で囁く。
「ほのかはこんなにいやらしい子だったんだね」
「……!! ほのかはイヤらしい子です、ごめんなさい……」
「ほのかのイヤらしい身体は今、どうなっちゃってるのかなあ? 見てもいいでしょ?」
「ううう……言い方もえっちぃよう……」
ほのかのブレザーのボタンを一つずつ外していく。ブラウスで包まれた胸がはち切れんばかりに盛り上がり、荒い呼吸で上下している。
「あああっ! 恥ずかしいよう!」
「ほのかのお胸さんは柔らかそうだなあ」
「ああ!」
ほのかが目を閉じて顔を逸らした。
オシオキされる側に回ると、ほのかもこんなになるんだな。
「ほうら、触っちゃうぞお」
「……!」
はああああ。
すうう。
はああ。
すう。
僕の声で動きを止めたほのかが、必死に呼吸を押さえている。いじらしい。
ほのかの新たな一面を見れたし、オシオキ、楽しいかも?僕もいい加減、我慢の限界が近い。
…………とどめと行くか!
R指定のラノベのようにっ!
「ほら、お兄ちゃんの手がほのかのおっぱいの真上にあるよ」
「はい。ど、どうぞ! ほのかをイジイジしちゃうんですね!」
ふふふ。
そう簡単にはいかないよ。
「ほらほら、触っちゃうぞ揉みしだいちゃうぞ」
「はい! 挟んで、お顔にお胸に、どぴゃーってして下さい!」
ううう。
この大きな胸を曝け出して…………痛い痛い!
僕が窮屈過ぎて辛い!
こんな所かな。
これ以上は無理だ。
本当に歯止めが利かなくなってしまう。
ほのかも楽しんでくれてたし、はあはあしてたし、満足だ。こんなオシオキなら、またしてもいいな。
ほのかが高校卒業したらホントに脱がせたりとか。おおおっ!
どーどー。
めちゃめちゃ固くなってしまった。
いやあ、興奮した!
「はい、おしまい」
「はあ、はあ…………え?」
「言葉責めと焦らしでのオシオキ」
手の拘束を解いてやった。
ほのかがキョトンとしている。
大成功だ。
「ほのかが興奮してくれて……ぶふう?!」
「すっごいドキドキくちゅくちゅ、にゅるにゅるなのに! お兄ちゃんの、今日は根元まで行けそうな気がしたのに何でここでやめちゃうのお?! ブレザーの前開けただけじゃん! お股くぱあ、は?!」
「このくらいまでって決めてたから……いや待って! アイアンクローしようとしないで?!」
「むむむ……! かくなる上はっ!」
ズビシぃ!
立ち上がったほのかが、僕を指さした。
いや、パンツ見えちゃってるから。
……え?!
何で地肌が透けてるの?!
めちゃめちゃしっとりしてませんか?!
「ほのかを中途半端にムラムラどっきんさせたお兄ちゃんに、オシオキの反攻を宣言します!」
「……え?」
あれ?
僕のターンは?
●
濛々と浴室内に立ち籠る湯気。壁面のスピーカーから流れる、リズミカルで切なげなR&B。照明の光度を落とした室内は、ムーディーな感じになっている。
そして。
後ろ手に縛られて、椅子に座らされた僕。
腰の上に、心細げにタオルが乗っているのみだ。
まあ、風呂場だからいいんだけど。
これ、また夢か?
ほのかとベッドで戯れているうちに寝てしまったのか?
浴室の扉が開いた。
ショートパンツとキャミソール姿で入ってきたほのかが、手に愛用のアヒルのスポンジを持ってどこかの海賊王になりたい勇敢な少年のようにその手を天井に向かって突き出した。
ぷるっ!
ほのかのお胸が跳ね……あの突起、まさかノーブラぁ?!
「お兄ちゃんに、オシオキというものを教えて差し上げマース!」
まだ悪役令嬢のネタ、終わってないのね。
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