幼なじみは絶好調 ~そして僕のターンが始まるぜっ!~

【Special Ep①】第30話 今日は、お兄ちゃんがオシオキですよ! 〜のはず、です〜


 週末が、やってきました。

 

 そう。

 

 ほのかと葛が一日交替で泊まりに来る、朝から晩まで過ごせる週末が。


 二人は平日も交互に、時には一緒に来たりするけど学校もある。ご飯を作って食べたり少し動画を見るだけであっという間に22時になる。


 週の半分は、ぶーぶー文句を言う二人をうちまで送っていく。高校生は高校生らしくしないとね。だからその分、一日中一緒にいれる週末をみんなで楽しみにしているのだ。

 

 佳奈子さんの前で二人への気持ちを伝えたあの日から、変わった事。僕らの関係の大きな変化のうちの一つだった。


 三人の約束事を改めて作ったのだ。


 みんなで今までのように思い立ったら突撃、では誰かに負担がかかるのではないか。そして二人はわかってくれた。



 その佳奈子さんはといえば、あれから顔を合わせていない。

 というか、とても顔を合わせづらい。

 

 いくら夢の中とは言え、佳奈子さんとほのかと葛とめちゃめちゃイヤらしい事をしてたんだもの。僕は目隠しに腕の拘束をされたままだけど。


 夢の中で三人の言葉攻めと、グッズなのか本物なのかなのかわからないところに何度もパトスを迸らせた。


 いくらグッズとはいえ、耳元で『ほら、今度は佳奈子さんのよ、ふふ』とか耳元で囁かれて、ぐっちゅぐっちゅと音がし始めたら本当にしてる感が半端なかったし。


 しかもあっつあつのぎゅうぎゅうが僕を擦り上げて呑み込んでる間もほのかと葛に体中にキスをされ、弄られて。それが代わる代わるだから、すごかった。


 ほのかと葛が、『まだ無理い!』と叫んでたのが現実っぽかった。でも夢の中でも無理はしてほしくないのです、お兄ちゃんは。前の夢でも葛、転げまわって叫んでたしね。前回も目隠しされてたけど。


 それにしても……今日の夢も最高だったなあ。

 朝起きて下着を汚してないか心配だったくらい。


 まあ、実際に佳奈子さんとそういう事にならないってわかってるから逆にあんな夢を見てしまったのかもしれない。しばらく顔見れなくなっちゃうかもだけど。加奈子さんごめんなさい。

  

 でも、僕の夢って何か変だ。


” お兄ちゃん、これは夢だからぁ! ”

” あら優ちゃん。あらあら優ちゃん。夢の中でもごりごりね ”

” 夢?……痛! ほのか、葛! お母さんをひっぱたかないの!……ああ、なるほど。夢なら私もいいわよね? いたあ?!”


 夢の中に登場し、これは夢、これは夢……と連呼しながら僕に纏わりつくほのか、葛、佳奈子さん。


 佳奈子さんは何故か二人にばっしんばっしん叩かれていたが。


 夜中目が覚めた時には佳奈子さんはいなかった。僕に抱きついて嬉しそうに眠るほのかと葛がいるだけだったからやっぱり夢なんだろう。


 いつかまた見てみたいのだが、願った夢って見れた試しがない。

 とほほ。



 でも僕、大丈夫なんだろうか。

 だんだんと夢の中での恥ずかしい行為度が増していく。


 しかも僕、受けの方が好きなのかな。

 縛られている事が多くないか?


 僕だって自分の意思で女子の身体を堪能したいのに。

 そしてそれは、彼女がいなかった僕には夢のような話だった。


 でも、今は違うのだ。

 僕には、愛してやまない理想の彼女がいる。

 何と二人もだ。




 二人の事を好き。

 ほのかと葛を僕だけのものにしたい。

 一生愛したい。




 とんでもない事を口走ったものだ。あの夜もそこは夢かと思っていたが、『それは三人で聞きました!』と怒られるし。


 でも、父さん母さん、夕凪の武郎さんや佳奈子さん、それにほのかと葛も許してくれた。


” 二人の事を泣かせたら、実家で籠城させるからね? ”

” 辛い時や苦しい時は、僕らもいるから。何でも言ってね ”


 佳奈子さんの言葉に苦笑いしてた武郎さんも、真剣だった。

 時折見せる二人の眼光が怖かった。


 心配な部分も、不出来な部分も今の僕らには多いのだろう。

 それでも、僕らの意思を尊重してくれた。

 

 この日の夜。

 ほのかと葛の三人で、泣きながら抱きしめあった。 


 これからもずっと一緒ににいようねって。

 何度も言いながら。



 ほのかと葛に『僕もオシオキをしてやるぞ、ふふ』と言ったら喜んでいたが、オシオキプレイみたいに考えてないか?でも、ドキドキだ。


 高校を卒業するまでは最後までしないことにしているけど、二人にはめちゃめちゃ反抗されたが言葉攻めやちょいちょいムニムニくらいだったらきっと僕だって!


 我慢できなくなってなし崩しで、は嫌だからほどほどにしよう。お兄ちゃんは君達をお姫様のように大切にしたいのだ。


 だからお風呂場に乱入してきて『このまま最後までしよ?』とか『早く慣れておきたいのよ。ほら、ずずず! って』とかやめて下さい。


 お兄ちゃんは円周率や和洋の歴史が得意になってしまいました。君達、可愛すぎるんだってば。我慢も大変なんだってば。


 こうなると夢で発散できてるのはありがたい。そうでなければ週末になる前に一人でエロい動画とにらめっこしていただろう。 


 お兄ちゃんは、やればできるのだよ。

 ふふふ。



「たっだいまー! 葛には悪いけど、明日の夜までほのかがお兄ちゃんを独り占め! まずは、んっ!」

「おかえり。ん」


 あの夜の後からの、二人へのおはようといってらっしゃい、そしてお帰りとおやすみのフレンチキスをする。


 これも、あの日から変わった事の一つだ。


 ほのかはキスの後に必ず僕の胸に顔をうずめてから、赤い顔で照れ笑いを見せてくれる。ほのからしい表情が可愛くてたまらない。


「お兄ちゃん、買い物行こ!」

「うん、行こっか」

「夜ご飯何がいい? あとお兄ちゃんオシオキグッズ見に行こ☆」

「何で僕のオシオキグッズなんだ?! 今日は僕の番だぞ」

「あ、そっか! どきどきするう! いっぱいイジメてください☆」


 そう言ってメガネを外したほのかの可愛さ。

 お兄ちゃん、本気出しちゃうぜえ!

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