**5 空の歌声

その少女の歌うのを初めて聴いた時

やわらかに澄んだ大気のあの高みをね

陽にぬくもりだした透明な水のリボンが

切れることなくひるがえりながらどこまでも

きらめき吹きわたってくーー

……そんな情景が浮かんだの


少女の声質があまりにさやかだったから



そしてその汚れなさに

大空がどこまでもうるおってゆくようで

いつかしらわたしまでなみだたたえてた

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123詩 …お菓子の時代 海月 @medusaion

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