第三章 第48話 四者会談 ―6―
……ダメだ。
これ以上はマジでついて行けない。
流れに
とりあえず、レアリウスが
「答えてもらってありがとうございます、カルヴァレストさん。
・大昔に、神様たちの戦争があったわけじゃなくて、「
・その祖王が地面を
・アリウスとテリウスは、すれ違っている。
・アリウスとテリウスは、いずれ
・あるお方と言う人が
・あるお方は、結局のところ合一は阻止できないと判断してレアリウスを閉鎖した。
・カルヴァレストさんのご先祖様はそれが不服で、聖会を離脱して新しくレアリウスを設立し直した。
・新しいレアリウスは合一を阻止するために、祖王に対抗する「
「お見事でございます、
「テリウス、だけ?」
「はい。アリウスは『祖の地』――つまり、元々あったこの世界のことであり、そこから剥がれて生じたのがテリウス。
「と言うことは、テリウスってのは――」
「ご明察の通り、八乙女様たちの世界のことでございます。あなた方が住んでいらっしゃった場所は、要するに本来存在することのなかった『
…………は?
思わず出そうになった、「異世界はそっちだろう」という言葉を、俺は何とか飲み込んだ。
「この
「は、はい。魔法はあくまで空想の産物でした」
「それは恐らくですが『
「あ、あ……えーと」
「本来、
「む? それはどういうことだ、イングレイ」
突然話を振られたリューグラムさんは、俺にとって驚きの話にもそれほど動揺していないように見える。
何だか別の情報ソースがある、みたいなことを言っていたが、もしかして既に彼はこのことを知っていたのだろうか。
「合一を阻止せんと、『
「デンキ……ああ、そう言えば……」
「そうでございます。『ガッコウ』を
「見た。確かに見た。しかし、それが何だ?」
「ニホンジンの知識によりますと、
ん?
確かにそれは、俺たちにとっては当たり前のような知識だけど……なぜそのことをカルヴァレストさんは知ってるんだ?
――いや、そんなの分かりきっている。
日本人である俺たちの誰かから、聞いたんだ。
それで、オズワルコスさんがレアリウスだって言うのなら、当然カルヴァレストさんにまで伝わっていたとしても、何の不思議もない。
で、誰かって言うのは――――恐らくは、
「『デンキ』という新しい知識と技術によって、行き詰まっていた『
「
「その通りでございます、御屋形様」
カルヴァレストさんは、リューグラムさんの目を力強く見据えた
リューグラムさんは、口を
すると、カルヴァレストさんは頭を上げ、話を続けた。
「研究に行き詰まり、焦りを見せたレアリウスの
「……何だと?」
「そのことを
「それは
「はい」
リューグラムさんの言葉に、
カルヴァレストさんは、それを真正面から、しかし少しうつむき加減で受け止めて続けた。
……十年前のピケの事件って、何だ?
「
「……
「もちろん、良質な
……え?
……何だって?
魔石が、胸腺の一部?
あの深い紫色をした、小さな石のようなものが?
星祭りで、団子に詰めて飛ばした、あの石が……胸腺?
「しかし生体部門は、『デンキ』というものを知ってからも、良質の魔石を使った研究を中止しておりません。それどころか、望星教会の脅威に対抗するために、
「何……?」
「
「……」
「私の部下であったオズワルコスという者が、実は軍事部門から送られてきた
さて……どうしたものか。
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