第三章 第16話 地上地点
その目的はもちろん、転移した今岡小学校の存在を確認することであった。
そして、もう一つ――――――
◇
「えーと、この辺りかな……」
ひとりの
彼女が立つのは、一面に広がる
遥か
ここは、禁足地。
エレディールの
「もう少し南じゃないか?」
女性の背後から、
「そうかなあ……大体、こんな
「
「もう、子ども扱いしないでって言ってるでしょ!」
「それが嫌なら面倒くさがるんじゃない。
女性は
「分かってるってば。ちょっと言ってみただけだよー。わたしだって、主様にはちゃーんと
「口先だけではないことを
そう言いながら男性が地面を指さした。
女性から
その大きさ、
「あー、あった! すごいね、ラッド!」
「うかつに近づくな!」
満面の笑みを浮かべて黒い円盤に駆け寄ろうとする女性を、ラッドと呼ばれた男性が鋭く制した。
「な、何よーもう」
「いつ、
「う、そうだった」
女性は
「この『
「分かった」
「素直なところはお前の
「普通にクラリスって呼んでよね、アイドラッド・アズナヴィトン」
男性――ラッド――は何も言わずにただ軽く口角を上げると、黒い円盤に視線を移した。
女性の方――クラリス――も、ラッドに
そしてそれから
黒い円盤の上
ラッドとクラリスは手をかざして目を細めながらも、これから起こる現象を決して見逃すまいと、薄く開けた
そして、
五人の人物は、いつもなら誰もいない、何もないはずの目の前に二人の男女が立っているのにすぐに気付く。
そして
「
ラッドは両手を挙げて敵意のないことを示しながら、五人に話しかけた。
その横でクラリスも、うんうんと
「
五人のうち、リーダー格と思しき男が武器を構えたまま、低い声で言った。
ラッドは両手を挙げたまま、真剣な顔で答えた。
「我々は
「イルヘレーラ……?」
「
リーダー格の表情がさっと
後ろの四人が散開し始めた。
「なぜそれをお前たちが知っている?」
「我々はこの情報を、こちらの
「!!!」
ラッドの
アルカサンドラの名を
ラッドは続けた。
「その上で頼みがある。あなた方の
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