第三章 第14話 ディアブラントとウルティナ ―2―
「
「正直なところ、あまり多くはありませんね」
「
ここでディアブラントはウルティナの眼を真っ直ぐに見てから続けた。
「
そのレアリウスは、元々はお前のところの組織だったらしいぞ? ――という意味のディアブラントの言葉を聞いても、ウルティナは特に表情を変えることもせず、静かに
「たとえ
「元はあなたのところの組織だったという話は?」
「間違っておりませんよ、
「なるほど……では、レアリウスは聖会にとって、商売
「それは違います。まずレアリウスは宗教組織ではありません。必要に応じてそう装うことがあったのかも知れませんが、彼らは何も
「
「ええ」
ウルティナは再び
「レアリウスを
「レガストーロ……」
「多少の組織改編はあるのかも知れませんが、体制はそう大きく変わってはいないはずです」
「ふむ」
「まず、わたくしたちは、レアリウスを滅ぼさなければならないと考えています」
「……何と」
「そして、
「ちょっと、
ディアブラントは右手でウルティナを制して言った。
「その話をうかがう前に、ひとつお聞きしておきたいことがあります」
「何でしょう」
「なぜ、私なのですかね? 確かに私はザハドの
「
「それに、自分で言うのも何ですが、私も貴族の端くれ。それなりの
ディアブラントの言葉に、ウルティナは小さく
「当然の疑問ですね。ひとつひとつ、順番にお答えしましょう。まず一つ目の理由は、例の二十三人に対するあなたの姿勢です」
「……ニホンジンのことでしょうか」
「そうです。詳細は後ほど話しますが、レアリウスに敵対するということは、日本人に
「いえ、仰る通りですよ、巫女殿。しかし全く見返りを求めずに
「まあ、そうでしたか」
ここに来て、ウルティナは初めて驚きの表情を
彼女が学校訪問に同行した件も
そんな彼女に、ディアブラントは尋ねた。
「なぜ、レアリウスがニホンジンたちに危害を?」
「弾爵はご覧になりませんでしたか? 日本人たちが持つ、
「よくご存じですね。もちろん見ましたよ。驚嘆に値するものばかりでしたね」
「これもまだ推測の域を出ませんが、レアリウスはその日本人の持つ知識や技術を我が物として欲するに違いないのです。そして、そのためにはきっと手段を選ばない」
「なるほど、しかし」
ディアブラントは、
「私がニホンジンに友好的なことを認めるに
「その通りですね、リューグラム弾爵。あなたに協力を求める理由は、日本人に友好的でなければならないということの他に……
コル・レイガ。
その言葉を聞いて、ディアブラントの
「……ご存知でしたか」
「ええ、あなたの
ディアブラントはやれやれと言う
「どうやら私は、いろいろな
「そうですね。特にこれから申し上げる最後の理由は、リューグラム家にとって抜き差しならない話のはずです」
「うかがいましょう」
「わたくしたちの調査によれば、先ほど申し上げたレアリウスを束ねる五人の人物である『
今度こそ、ディアブラントの
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