第二章 第16話 琉智名
「もー!」
「ごめんて、
「大体、前から
「あちゃ~、聞こえちゃってたか~」
真夜がおどけて言う。
「それじゃあもう、これからは私も『とーだいさま』ってお呼びしないといけませんね、
「そんないけず――いじわる言わないでさ~、今までみたいに
「別に元々お姉ちゃんなんて思ってませんけど」
「うわ、
「そもそも、とーだいさまには本物の妹様がいらっしゃるじゃないですか。
「ま、ま~ね」
「私、さっきそれ聞いて
「……瞳ちゃん、ちょっとお下品だよ?」
「そのくらいびっくりしたんです!」
「そんなところでまだやってるの? あなたたち」
新しいお茶を
瞳と言えば、先ほど真夜がトイレに立ったタイミングで一緒に
今、広間では
一同とは具体的に、以下八名である。
☆
・
・白銀
・白銀
※白銀家は銀月家の分家である。
なお、全ての
・
・銀月
※銀月家は「
・
※銀泉寺家は銀月家の分家である。
銀月家の者を
本来なら真夜にも付くはずだが、本人の
なお、銀泉寺家は
・
※銀荒城家は銀泉寺家の分家である。
銀月家の敷地全般の警護や
秀は例外的に、銀月左京専属の侍従となっている。
???
・謎の
☆
「さ、もっかい中に入ろ? ほら、まだみんなしゃべってるし~」
「うー……わかりました」
「あ、そうそう。このこと、
「そうなんですか? わかりましたけど……」
瞳は
すると、中から出てこようとしていた
「あ……っと、す、すみません!」
「構いませんよ。それより、真夜」
「はい~」
「少し話があります。別室へ行きましょう」
「おっと、呼ばれ
「それなら私がご案内します。瞳、このお茶を皆様に出して差し上げて」
と、
「あ、はい」
「それじゃあ瞳ちゃん、また
そう言って真夜は手をひらひらと振りながら、紫乃と女性についていった。
そんな真夜を、瞳は何とも言えない表情で見送った。
◇
そして別室にて。
そこは、洋風のこじんまりした応接室だった。
案内した
「電話で大まかなことは聞きましたが、もう少し
「あの
「もちろん」
真夜はお茶を一口
「どっちか言うと、詳しい話を聞きたいのはうちの
「あの二人は、例の消失事件とやらが起きた現場に
「
「もちろん、そのつもりです。もう少し回復したら」
小柄な女性も、お茶を小さく
「そう言えばさっき二人に何て言
「あれは……『こんにちは、
「? ヴームって何な
「ヴームは――そうですね、こっちで言うのなら梅田駅とか新宿駅の地下
「何それ」
「まあ駅ではなくて、人が住んでいる場所ですが」
「ふ~ん」
難しい顔をして
「
「
「ある出来事?」
「以前話しましたよね。『
「……あ~、そう言えばそんな話も」
「最初の『すれ違い』で、そこに
「あ、あははは、歴史はちょ
そう言って頭を
「まあ、今の事情とはほとんど関係なくなっていますからね。それに、現在その場所は
「あ、それは覚えて
「
「――何か、結局
「……そうですね」
くすくすと笑い合う二人。
「それで電話でも言
女性は
「
「理世ちゃん、泣く
「迷惑でなければ、何度でもご招待しましょう。何しろ
「そう
「二人がある程度回復したら、ですね。
「了解で~す――あ、あとひとつ」
「何でしょう」
思い出したように真夜が
「あの小学校消失事件で消えた人たちって、生きてるん
「わたくしの推測通り、単なる
「そっか。そうやとは思
「何か、
「あ~……職場の後輩のパパも巻き込まれたらしい
「そう……でも、
「分かってるって。
「……真夜。その名を知るのは銀月家当主のみです。分かっていますね?」
「そっちも分かってる
そう言って、真夜は立ち上がった。
「お
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