第二章 第12話 三者
雨は相変わらず
「おい、いたか?」
「いや……いないな」
「まあ追い出されたってのは数日前だしな。この雨だからまた来ているかも知れないと思ったんだが……」
「なら次だ。他の班もそれらしいところは
「ああ」
スーツ姿の男たちは、近くにとめてあった車に乗り込んだ。
車は、あっという間に遠ざかっていった。
◇
――
兄である
サンドラとリウスがいなくなった。
そして――――もう
理世はベッドの上で体育座りをして、
小さなお
もちろん、
父親も母親も、無理
今日は土曜日なので、学校は休み。
顔を上げて、窓を見る。
しかし、
外の様子は
――
――お腹を
どこかの
お腹の虫なんか、好きなだけ鳴けばいい。
二人のことが心配で、理世は自分の事なんてどうでもよかった。
――そうだ。
お
ドラマで見た犯人みたいに、
それを見て、哀しそうな顔をする父と母。
……小さな胸が、つきりと痛んだ。
でも、理世は
もう
彼女は急いで着替え、廊下を出ると音がしないようにそっと部屋のドアを閉めた。
父親は、多分
母親は午前中の家事に
階段を静かに
リビングからは、掃除機をかける音が響いてくる。
――今しかない!
理世は
自分の身体が通る分だけの
◇
その頃、
「今日の午前中じゃないと都合が悪いとか……まあ終わったからいいけどさ~」
彼女が
取材は、先ほど無事に
今は取材先から帰社しようと言うところだが――彼女は
お
「どっかで軽くお
そう思った瞬間に、真夜は周辺の地図を頭に浮かべ、この時間で
「……決めた。シ〇ノワール食べよ」
そして一番近いコ〇ダ
――真夜の車は、真っ赤なコンパクトカーだ。
正式な
フロントグリルの中央で「FIA○」のエンブレムが雨に濡れている。
丸いヘッドライトが可愛らしいそれは、チ〇クェチェント
Cがつくので、カブリオレである。
外車であるが、右ハンドルだ。
一応四人乗りとは言っても、後部座席はかなり
別に誰かを後ろに乗せるようなことはほとんどないので、真夜には
「よ~し、行くよ~トッポくん」
初代
「うわっ!!」
しかし
(間に合って!!)
ステアリングをぎゅっと握ったまま、思わず真夜は目を
――――――
――――
――車は、止まった。
衝撃は……ない。
真夜はすぐにハザードランプを
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