第七章 第12話 瓜生蓮司の疑念
――グレゴリオ暦20XX年 四月十一日 水曜日
――八乙女、療養九日目・帰校
―1―
◇
「残念だったね、
「ええ……」
今、私はザハドにいる。
私にとっては、
あの事件以来、あの人とは会えていない。
誰かが
八乙女さんも別の衛士さんたちに運ばれていった。
私はどうしたらいいのか分からなくて、その場で一人立ち
でも、エレディール共通語をペラペラ話せるわけじゃないから、言いたいことを上手く説明出来なくて困ってしまった。
衛士さんも何だかイライラしてきているみたいだった。
そこに、ちょうど
リィナが通訳を買って出てくれたお
三人に
――私は、八乙女さんに
本当に私はバカだった。
八乙女さんは、ただ
あの人の方から何かしたわけではないし、そもそも――私に彼をそんな風に
それなのに私は、あんな風に理不尽な怒りをぶつけてしまった。
自分の行動のあまりの
――でも校長先生に話を聞いてもらって、自分がすべきことがやっと分かったのだ。
まず、自分のしたことを
話はそこから。
その
どんな未来が待っているとしても、自分がまずその一歩を踏み出さなければいけないのだ。
――それなのに……。
私と瓜生さんが代官屋敷を訪れた時には、
聞くとほんの三十分程度前に帰ったと言うから、ぎりぎり入れ違ってしまったようだ。
今回、ザハドへは一泊の予定で来ている。
そうすると、八乙女さんに会えるのは最速でも
来て
でも……残念だったけれど、会えるのがちょっと先になっただけ。
こうなったら早いところ仕事なんて済ませて、
さ、仕事……仕事――
「それにしても、何だか変な気がするね」
「え、ええ……」
「本格的な打ち合わせは明日って、どういうことかな」
「そうですよね……だったら明日来たってよかった
そうなのだ。
さっき、代官屋敷の
その場で、今日は顔合わせで具体的なことは
私の
「まあ
「そうですね。何だか時間がぽっかり
「よかったら、今日と
「いいですよ。どうせ行かなきゃなりませんし……お腹も
「そうだね。それじゃあそこでちょっと遅めのお昼にしよう」
「はい」
リィナはもう
あのちょっと大人びた、でもとっても元気な女の子の顔を思い出しながら、私たちは
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