第六章 第23話 星祭り 第二日目 ―3―
◇
リィナが、
恐らく
――いや、別にリィナが悪いわけじゃないな。
彼女たちは困ってる
どうやら今日の昼食後に、何かあったらしい。
☆
俺たちは今日の昼、新しく学校からやってきた
昼食を取った。
メニューは昨日と同じく一種類だけ。
例の半分に割ったパンとトマト風の真っ赤な野菜スープだ。
こっちでは赤茄子の
ちょっと説明しておくと、星祭りの二日目である今日は、何と魔界の王が誕生した時を
魔王様ってやつなのか?
実在しているかどうかはともかく魔王様と来たら、次は勇者様とか賢者様とか聖女様なんかが登場しても不思議じゃない。
何しろ魔法が本当にある世界なのだ。
まあ遠い遠い
で、山吹先生たちが到着した後、隣室の
盛大に寝坊しているだけか、どっかに出掛けたのか分からないけど、まあ不在ならしゃーなしと、結局俺は山吹先生と
今日も食べていいのは昼飯だけらしかったから、ちょっと心配だったけどね。
食事の後、俺たちは各自の部屋にとりあえず引っ込んでいた。
本当は町民の誰かと話をして、エレディール共通語スキルを
水掛けもないし人通りもあまりないし。
――それにしても、昨日の水掛けはなかなか面白かった。
リィナのはしゃぎっぷりと町民の
いや、昨日の話はいいんだ。
それで、ずっと姿の見えなかった純一さんは、いつの間にか
気付いたのは、たまたま廊下でばったり会ったから。
それから、
(でも、純一さんが何か
(ふらち……ってなに?)
(あー……えっとな、けしからんと言うか、よくないって意味だよ)
(
おっと。
たとえ
気を付けないとな。
(よくないっていうか、じゅんいちはセリカねえをそとにつれだして、しばらくはなしてたってきいたの)
(そうか。話してた内容までは分からないよな?)
(うん……でも、はなしおわったあと、セリカねえがうらぐちからもどってきて、
(そっか……)
こう言う場合、俺はどこまで
正直、俺は困り果てている。
もし
一方で、いい年をした大人が――周りへの迷惑とかはさておき――自分の意志で選ぶ行動を、俺たちみたいな第三者がどういう理屈で止められるのか、止めてもいいものなのか……分からないと言うのもある。
(おかあさんたちははっきりいわないけど、じゅんいちはりょーすけのなかまだし、りょうしゅさまのおきゃくさんだから、つよくいえなくてこまってるようにみえる)
(なるほど……そうだよな)
純一さんに直接聞かない限り、話していた内容は分からない。
俺たち二十三人の利害に関わることだからって、全体のために個を殺すような真似はしたくないし……
少なくとも、セリカさん本人はもちろん、リィナやリィナの
これまでの付き合いからして、彼はそんなにおかしな人じゃないと俺は思ってる。
今のところ、営業妨害をしたとか、セリカさんに詰め寄って強引に何かを
もちろんセリカさんにとっては苦痛かも知れないけど、周囲にとっては「このままだと嫌な予感がする」って段階なのだ。
罪を犯しそうだから
セリカさんが純一さんの申し出をきっぱり断って、純一さんが素直に引き下がるっていうのが一番望ましいことだとは思うけど、そもそも純一さんは何もしていないのだ。
言ってみれば、ただ話しただけ。
(純一さんと話してみるよ。出来ればどんなつもりでいるのかも聞ければいいと思う。あの人は奥さんも子どももいるしさ)
(
(うん。奥さんは知らないかもだけど、子どもって
(えっ? ……じゃあ、あのひとはるぅなの
(そういうこと)
(そうなんだ……まあおくさんがひとりとはかぎらないしね)
(……は?)
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