第六章 第22話 星祭り 第二日目 ―2―
◇
星祭り、今日は二日目。
今は……何時ごろだろうか。
スマホはベッドサイドテーブルに置いてあるけど、スリープ状態なので何も
窓の外は、既に暗い。
つい壁に時計を探してしまう。
学校だと、まだ普通に壁時計が動いてるからね。
電池の備蓄もあるから、
ちなみにだけど、こちらの世界にも板ガラスは存在するようだ。
今はシンプルなカーテンに隠されているが、目の前の窓に
ただし日本でごく当たり前にあったものと比べると、恐らく質で
今は夜だから分からないけれど、
ここみたいな
きっと、製法が違うんだと思う。
フロート法なんかじゃなくて、
元の世界と同じように見えて、
ガラスだけじゃなくて、いろんな場面で感じることだ。
(りょーすけ)
その原因は、俺の推測するところでは「電気」と「
こっちでは電気はエネルギーとして認識されていないけど、魔法がある。
日本には魔法はないけど、電気があらゆる分野に
俺の感じる差異は、電気と魔法で出来ることの違いからきているように思える。
(りょーすけ?)
ただし、俺はまだ
一体どれほどのポテンシャルを秘めているのか……自分が使える以上、俺は知りたいと思っている。
誰から、もしくはどこで教わればいいのか――
(りょーすけってば!)
(お、おう、すまん)
……何か、最近こういうやりとりが多くないか? 俺。
ここは
星祭りの
この部屋に
もしかしたら、第三者視点的にヤバい
ただ……もし本当に今、第三者が俺たちを見ているとしたら、多少は
(えーと、で、何だっけ?)
(もう! じゅにちのことだってば!)
(じゅんいち、な。言いにくいかも知れないけど)
それはもちろん、
エレディール共通語では「ギオリアラ」と言うんだそうだ。
それと、この国の言葉は「
だから俺たちが呼ぶなら、「エレディール
学校のメンバーの中には、エレディール語って言っている人もいるけど……まあ
(わかった。
(うーん……何とかって言っても、どうすればいいのかなあ……)
かなり
そう聞こえているように
上手く
(そこはりょーすけがうまくかんがえてよ)
(難しいこと言うなあ)
(ダーロスでしょ?)
(ダーロスって、何?)
(りょーすけはダーロス。わたしはジダル)
(……
(そっちだと
(そう。ならジダルは子ども、だ)
(わたしは
何だか、完全に対等な感じでしゃべってるな……。
まあ年だけ見れば、俺が担任してる子たちと同い年なんだから、ありっちゃありか。
特別あらたまった場じゃなければ、教え子たちは敬語なんか使わない。
……ん?
よく考えたら、今日は俺たちの
明日から新しい年度が始まる――ってことは、あの子たちは六年生になるのか。
(校舎があんな風になっちまったけど、みんな無事に進級・卒業できたのかな……)
(え、なに? どういうこと?)
(あっと……すまん)
うっかり考えてることを
これって
(いや……大人とか子どもなんて言ってたら、こっちに来る前のことを思い出しちゃったよ)
(くるまえって……にほんってところのはなし?)
(そう。だけどまあ、そのことはいいよ。で、純一さんのことか)
(うん。でもにほんのこともきょうみあるから、おしえて?)
(今度な)
実際、今はそれどころじゃない。
純一さんの話だ。
事の
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