第六章 第19話 星祭り 第一日目 ―1―
――
――その方の偉大なお名前は、伝えられていません。
――創世神様は、天空と大地と、生きとし生けるもの全てをお
――創世神様はひと通り世界をお創りになった後、元の
――その際、
――神器を手にされたお方は、この世界における
――そして、この世界は「
――その神の
――主神ギードス。
――ギードスの娘、ウーティア。
――この
――アルディスには
――その戦いは
◇
「マジで!?」
例によってリューグラムさんたち手配の馬車で、俺たちはザハドの町に到着した。
東の森――どうやらザハドの人たちは
正確な
第一陣のメンバーは、俺――八乙女
俺と純一さん以外は、
神代君が通訳係になってはいるけど、今回はお
多分、大丈夫だろう。
馬車はまず代官屋敷に到着。
入り口で迎えてくれた
その時に彼女から受けた説明へのリアクションが、
「八乙女さん、どうしたんですか?」
教頭先生が
他のみんなも目を丸くしている。
クララさんは平然としてるけど、「マジで」の意味が分からないんだよなきっと。
「あ、いや、すいません。ちょっと驚いたもんで……」
「どうかしたんですか?」
んー、どう説明したものか……と思ったが、そのまま伝えるしかない。
「えーっと、こっちに来る前に星祭りについては説明しましたよね。神話の頃の出来事を五日間かけてなぞっていくものだって」
「ええ」
「で、今日はその第一日目なわけですが、
「……は?」
いつも冷静な教頭先生が、口をあんぐり開けている。
ま、そうなるよな。
星祭りって名称と水かけに、イメージが全然
「それはあれか? 通行人が水をぶっかけ合うってことなのか?」
鏡先生は
「そういう意味だと思いますよ。ちなみに
「ティ、何だって?」
「午後五時のことです。大きな
「マジか!」
鏡先生がマジとか言うの、初めて聞いたな。
言いたくなるよな。
「タイにそんなようなお祭り、ありませんでしたっけ?」
上野原さんの
「ソンクラーンだろ? あれは水を掛けるのは敬意の
「はえー」
「文化が違うと面白いわねー」
如月先生がうんうんと
「そういうわけなので、水を掛けられたくなければ外出はお
「それじゃあ我々は、この屋敷から出られないってことですか?」
壬生先生が
でもまあ、ここはちょっとリィナに文句の一つも言ってやりたいところではある。
この水掛けのことぐらいは事前に教えてくれててもいいじゃないかと。
「それと、もう一つあるんですよ。今日の食事はお昼ご飯だけだそうです」
「えーーっ!!」
「マジで!?」
さっきから変な声ばっかり上がってるから、ちょっと周りの人目が気になってきた。
「どういうこと? 八乙女さん。私、このお屋敷での食事すごく楽しみにしてたのに……」
如月先生が泣きそうだ。
秋月先生……この人のこんな
「儀式の由来はちょっとよく分かりませんが、星祭りの第一日目は昼に一度だけ、半分に割ったパンとトマト風の真っ赤な野菜スープのみを食べることになってるらしいですね」
「そんな……」
主に女性陣の
ちなみにだが、俺がここまで星祭りのことを細かく理解できているのは、決して俺の語学スキルが高いせいじゃない。
もちろんそっちも日々頑張って
お
そのクララさんが微妙に困った顔をしている。
そろそろ助け船を出すか。
「でも、ここに泊まる人たちは安心してください。お客さんにはちゃんと、夕食も朝食も用意してくれるそうですから」
「ほんとーっ!?」
「マジ!? マジ!?」
女性四人が飛び上がって喜んでる。
まあ気持ちはよく分かるから、
これならたとえ屋敷から出られなくても、今日一日くらいは敷地内の
「町に出たらそうはいかないみたいですから、俺と純一さんは我慢ですね」
「一食や二食抜いたって死ぬこたあないでしょうから、大丈夫ですよ」
純一さんは、大して気にしてないみたいだ。
ただ、水をかけられるのは何とかしないとまずいな……。
馬車は一台、門の外で待ってくれている。
俺と純一さんを広場まで送ってくれるらしいんだけど、リィナの
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