第六章 第07話 話を聞かない男
夜風を浴びようと外に出た俺の耳に、
そこで見たのは、
風邪でもひいたらことだと思い、俺は彼女を職員室に連れて行き、事の成り行きを聞くことにした。
☆
あんまり立て続けに聞いて、問い
俺は立ち上がり、自分の机に向かった。
引き出しからボールペンを一本取り出して、手にしてから澪羽のところに戻る。
「俺さ、毎日
応接テーブルの上にボールペンを置き、魔法でころころと転がしてみる。
「魔法……」
そして固く
……あれ?
もしかして、これも地雷だったとか?
困ったな。
芽衣、魔法、というキーワードを組み合わせると、
ザハドの学舎で必死に頑張っていた加藤先生と
あの時感じた
だけど、ここでだんまりを決めてしまうのも不自然だ。
もう少しだけ魔法
「
転がったボールペンを、今度は反対方向から動かしてみる。
ころころ。
「手を触れずにモノを動かすって、別に魔法じゃなくても出来るよね。いろんな方法――例えばうちわで
「……」
「だから魔法も同じように、不可視だけど存在する何かを
一方的に俺の考察を
「『胸から放出するように』ってイメージが
「……」
「それとも単純に
「……あの」
「
「……先生?」
「でもなあ、いずれにしてもその
「先生!」
「おわっ!」
いつの間にか、澪羽は顔を上げきってまたしても俺を
「と、すまん」
「もう……先生。そう言うの、『
いや……別にボケたわけじゃないんだけど。
それにしてもここで「もういいです!」とか言って、席を立ったりしないのが澪羽の優しいところなんだよな。
まあ澪羽が天丼を知ってたことへの若干の違和感はさておき、話してる相手がいるのに思考の沼に
大体、さっきまで澪羽は泣いてたんだからな、もっと真面目に向き合わねば。
「何か……先生を見てたら、泣いてるのバカみたいです……」
「ああいや、ごめんな。ちゃんと聞いてるつもりなんだけど、つい」
「じゃあもう一回、ちゃんと話、聞いてくれますか?」
「うん」
二、三回深呼吸をしてから、澪羽は
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