第六章 第02話 提案
以前は参加を我慢してもらっていた芽衣も、今日は参加している。
その訳は、昨日の午後にまで
☆
「――というわけで、班の構成を見直す時期が来たのではという提案がありました」
ここは職員室。
先日、ザハドからのお客さんたちが帰り、後始末やら片付けやらが済んで、
一時間ほど前に昼食を済ませ、
「元々、班については必要に応じて
司会は教頭先生。
校長先生は相変わらず体調が思わしくない。
具体的に何かの病気になったとか、怪我をしたというわけではないから、今すぐ命がどうこうって話じゃないらしいけど、こう長引くとさすがに心配になる。
サプライズでチェロの演奏を
「緊急性のある話ではないのですが、出来ればこの場で班の構成を練り直し、新しいメンバーを決めるところまで進められたら、と思っています」
とりあえず校長先生は、いつも通り保健室のベッドで休んでいる。
思えば副リーダーってのをはっきり決めてはいなかった。
でも、校長先生の代わりを教頭先生がすることに違和感はなかったし、特に反対の声も上がっていない。
「えー、まず私からいいですかね」
「班の練り直しと言っても、何の手がかりもないのではやりにくいでしょうから、言い出しっぺの責任として叩き台を出そうと思います。構わんでしょうか」
異論はないようだ。
俺もその方がいいと思う。
ぐるりと周りを見回して、鏡先生は言葉を続けた。
「まず現状維持と言うか、引き続き必要な班として、食料物資班と保健衛生班を
「いいですか?」
「今
ホントだよなあ。
普段の食事だって、それに準じたものを出してくれてるわけで、感謝しかないな。
「それに
これもみんながよく知ってる事実だ。
恥ずかしながら俺はほとんど手伝ったことはないけれど、
男女差別をしてるってわけじゃないんだけどな。
「ですので、正式な班員の数を増やしてほしいと思います。ただですねえ、私が言いたいのは仕事が大変だってことじゃないんですよ」
ん?
「今、手伝ってくださっている方たちはきっと、手伝わなきゃって思ってくださってるんですよ。こちらとしては本当にありがたいことではあるんですけど、その
なるほどね。
さすが、花園先生は気の回し方が違う。
年の
「はい」
「
「食料の話なので、僕からも。えー、現状僕は調査班ではあるんですが、ここ最近は
そうなのだ。
ザハドへの道が開通してしまった今、
意味があるとすれば植物性の食料調達の
更に言えば、特に俺と山吹先生はリィナたちとの勉強会で抜けることが多く、調査班としては本来の半分も
「花園先生、実際のところ、ザハドからの肉や野菜だけでやっていけそうですか?」
瓜生先生の問いかけに、
「そうねえ……今のペースであの量が保障されるんでしたら、
答えを聞いて、瓜生先生は
「となると、危険を
「いやしかし」
「こちらの自給手段をなくしてしまうのは、ちょっと危険じゃあないですかね。そもそもザハドからの食料提供って、いつまでしてもらえるんですか? 何しろあれだけ大量の物資を無料で提供してくれるだなんて、何て言うか、頼り切ってしまうのは危ない気がしますね」
んー。
確かに壬生先生の
それに、リューグラムさんは
この物言いは、いつかは払ってもらうよって意味にも取れる。
とは言え……。
「まあ壬生さんの心配も無理からぬものでしょう。要は彼らに
鏡先生が壬生先生の言葉を引き取って続ける。
「これが、私が班編成の見直しを提案した理由の一つ目ですよ。調査班は実質的に存在意義が
一体、鏡先生はどう結論付けるつもりなのか。
俺も含めて、みんなが
「簡単なことですよ。あちらともっと関係を深めるんです。分からんから不安になるわけで、言い方はあれだが
鏡先生のある意味
言っていることは分からなくもないのだが、どうにも不安が
「そ、それは具体的には、どんなことを考えていらっしゃるんですか?」
教頭先生がどもるのは珍しい。
かなり意表を突かれたということか。
「さあ……それが分かれば苦労はせんのですが、
「それを鏡先生が……?」
「いや、今の状況だと私には荷が勝ちすぎるでしょう。現時点で
じゃないですかね。私は彼を
「ぶっ」
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