第五章 第16話 星暦
「それでギル、彼らの中に
「はい、
「うーむ……」
代官のギルベール・シャルナド・ラマファールは、領主であるディアブラント・アドラス・リューグラムと向かい合わせとなって、
彼の後ろには常に付き従う
「そうすると
ディアブラントは卓上の
「彼らは
「特異性……とは?」
ギルベールの問いに、
「
「今回訪れた
「ちょっと待て」
ギルベールの言葉を
「すまんな。今思い出したのだが……あれは何の資料だったかな、
「あー……そう言えば私も読んだ記憶がありますね。金髪はもちろん黒い髪も
「それだ」
と、ディアブラントは手を打った。
「それがある時を
「そうらしいですね」
「まあ、だから何だという訳ではないが」
ひとつ
「まあ身体的特徴については、個人差もあるし、
「しかし、
言い
「そうだ。だからこその
「はい、確かに。ですが、やはり
「そうなると、少しだけ矛盾が生じますね。ディアブラント様」
ラーシュリウスが話に参加する。
「魔法が使えると言うことは、彼らの特異性がかなり重要な部分において否定されたということですから」
「そう、つまるところ我々と同じか、そう変わらん存在だと言うことになってしまう。振り出しに戻るわけだ」
ディアブラントが
「こういう時にこそ、あのお方たちの
「そう言えば、禁足地の
「ああ」
ディアブラントは
「
と言った。
「条件……とは?」
「ある
「ヴァルクス……ははあ」
ギルベールは
「『
「公的な場所では数度顔を合わせたくらいだが、以前ピケの
「なるほど、
「まあそう言えなくもないかも知れないが、私を含めて
「ディアブラント様……」
ラーシュリウスが困ったような顔をする。
「またリンデルワール様にお
「ふん、そんなものは
ディアブラントが肩を
「大体、今回の禁足地行きだって、行きたいのなら自分から
「あの方のことですから、きっと何かお考えがあるのでしょう。それに、ディアブラント様だって興味
「うん……まあ、な」
「結局のところ、禁足地へはどなたが行かれるので? わたくしも同行させて頂きたいところを、りょーすき殿から出された条件がある
ディアブラントとラーシュリウスのやりとりを見ていたギルベールが、我慢できずに口を
「そうだな。我々の
「
「そうだ。まず私のところがラーシュと
ギルベールが驚きに目を
「本当にたったそれだけの人数で行かれるおつもりで? 禁足地ですぞ?」
「あの地の危険性は、人員の
「しかし万が一ということが」
「大丈夫だよ、ギル。仮に
「なるほど……
理詰めで
ギルベールは仕方なく口を
そんな彼を見て、ディアブラントが
「まあ
「はっ。私もどこまでもお
力強く宣言するディアブラントの後ろで、ラーシュリウスもまた自らの使命を
「それはそうと、ギル」
「はい」
「あちらの
「あちら……『
「そうだ。あと
「はい。町長殿と共に
「うむ。ザハドについては頼んだぞ」
ディアブラントは満足
「ピケの準備も順調だが……それにしても、気が遠くなるほどの
「さっきの話ではありませんが、
「そうだな。来年は……何年だったか?」
ディアブラントの問いかけに、少し置いてラーシュリウスが答えた。
「来年は――――
◇
そして同日、ほぼ同時刻。
「やはり、その
「はっ、
「
「……恐縮です」
「ただし、可能性が事実と確認されただけだ」
男は
「結局、まだ彼らの正体については何も分からぬまま」
「……」
「それ
「はい」
「
「
配下の男がうっそりと頭を下げる。
「お前たちの得た情報を元に、今回の策は組み立てられている。かの部屋を
「は、間違いございませぬ」
「そうか。ならば、
「お任せください」
――配下が出て行った
「どう
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