第五章 第15話 報告会 その2
ザハドで
運よく?魔法が使えるようになった俺と
そして――習得できなかった
☆
「実はですねー、私も
ざわざわしていた場が、一瞬で
俺は思わず、隣に座っている彼女の顔を見た。
俺の視線に気付くと、加藤先生はにっこり笑って
「もうね、すんごく
「……」
「それからずっと、
そう言って、ピンク色をした親指の
「正直、くそー何で八乙女先生たちだけ? って思いましたね。ずるい、とも。一体私と何が違うのって、もう
……軽くショックを受けるが、とにかく今は彼女の言い分を聞くしかない。
「でもですね……初めて出来た時こそ喜んでましたけど、八乙女先生たちってば、それからは全然嬉しそうじゃないんです。リィナちゃんの食堂でわいわいやってる時も、話が
黙って首を横に振る澪羽。
「え、澪羽も出来るの……?」
そして
すると、
「そ、そうなんです」
天方君が口を開いた。
「オレも加藤先生と同じで、どんだけ頑張っても何度練習しても、全然出来ないんです。それなのに
「……」
視界の
「そうなんだよねー
「……」
「それなのに、出来ない私たちのことを
「ギ、ギルティ?」
やべ。
思わず反応してしまった。
「そうですよー、八乙女先生。だからね、私、こう思うことにしたんです。八乙女先生と澪羽ちゃんと朝陽くんは、宝くじを連番で買って一等前後賞丸ごと当たった超ラッキーな人たちなんだって。そう考えれば、そりゃあめっちゃ
「す、素晴らしいっす、加藤せんせー」
諏訪さんが
「それでね、あとこれだけ言わせてください。結局何が言いたいのかと言うと、これからここにいる皆さんもいない皆さんも、きっと自分にも出来るかどうか試しますよね。私の予想では、恐らくほとんどの人が出来ないだろうって思ってます。あ、違います。別にこれ、
「……」
「だから、もし出来なくても落ち込まないでください。あ、落ち込んでもいいんですけど、出来なかったらダメな人ってわけじゃないし――何より、八乙女先生たちは何にも悪くないんです。ノットギルティです。気を
そう言うと、加藤先生は体育座りのまま、俺たちに向かって深々と頭を下げた。
――――――――――
――――――――
――――
――
あれ……何だ俺。
あれほど重く
この――久しぶりに
見ると、
加藤先生は、出来ない立場の者の心を
――ありがとう、加藤先生。
それ以外の言葉が、見つからない。
◇
その後、トイペロールを使ったり加藤先生たちから岩塩や小石を借りたりして、魔法班員全員が「フォーレス」「スタウト」を試した。
その結果、俺たち三人以外で成功したのはただ一人――
この場に集まっていなかった残りの人たちにも、会議が終わった
現状で
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