第四章 第20話 ザハド訪問四日目 その3
「くぅ~~~」
リィナです!
信じられない光景!
いつものうちの店の中なんだけど……りょーすきたちが座ってる!
彼らと一緒に飲み食いしたいらしい
「こんなこともあろうかと、
「まあな。しかし……仕込みが足りるかな」
「
私はとびっきりの
「マリンガ」
「マリンガ!」
「マリンガデ」
「
何でこんなに嬉しいんだろ。
ここ数日は、毎日と言っていいほど顔を見てるのにね。
「
「
りょーすきたちの
「リィナちゃん、こっち
「こっちも頼むぜー」
「はーい、
◇
「いやあ、サブリナってば頑張ってるなあ」
「いかにも酒場の看板娘って感じですね」
「あんなにたくさんの注文をてきぱき
俺たちの前には既に、先ほど注文した品が並んでいる。
おまかせで頼んだから、例によってサラダとパン、肉料理はつぼに入った何かの肉の煮込みだ。
あと、既にいつものあれだけど、俺以外の大人四人はビールを頼んでとっくに出来上がっている。
子ども二人と俺は
――それにしても……周りの盛り上がり
店の雰囲気は、
俺たちに話しかけてくる人たちも、ちょいちょい現れてきてる。
はっきり言って会話になるほどには言葉が分からないままなのに、酒が入ると不思議と
絶対に気のせいだと思うんだが……校長先生や鏡先生の様子を見てると、自信がなくなってくる。
――校長先生も、帰りの馬車で様子が何となく変だったから心配したけど、とりあえず大丈夫そうでよかった。
「サブリナすごいね、せんせー。あんなにくるくる動き回って」
「本当だな」
「あの子って、まだ十一歳なんでしょ? 小五じゃん」
「
「ぷ。やっぱり男は子どもだね」
「
「山吹せんせー、八乙女せんせーがあたしのことナマイキとか言うんです~」
「まあ」
「おいおい……」
「でもあれですよね、八乙女先生、もぐもぐ」
「あれって?」
黒瀬先生が
「ここってサブリナちゃん
「そう聞いてるけど」
「ホールがサブリナちゃん一人で、キッチンを
「そうなるね」
「この数のお客さんたちを三人で
「ま、確かに」
ここで飲みかけのビールを一気に
「ふう…………見てみたい」
「え?」
「キッチン、見てみたいです!」
「あたしも見たい!」
こくこく。
マジか……この酔っ払いは。
俺は周りを見て言った。
「いやでも、こんな忙しい時だと
「じゃあ、いつならいいか、サブリナちゃんに聞いてみてくださいよお」
「あたしが聞いてあげます。サブリナー! リィナ!」
「お、おい……」
「ヤァ!」
◇
「
「おういいぞ、リィナ」
突然、りょーすきたちが
正直なところ困ってしまったんだけど、お父さんに聞いたら店内の雰囲気が
「ゥワー、コーナッテルンダ」
「アレワカマドゥカヌ?」
「コチガシュクリョーコミタイ」
入ってきたのはりょーすきとはぅみ、ましろーとめいとるぅな。
こーちょーとかぐみは、他のお客さんと飲んで騒いでるみたい。
――こーちょーは、本当は……しょーなんとかって名前らしいんだけど、りょーすきたちは普段「こーちょーせっせー」って呼んでるし、「こーしょー」だか「しょーごー」だか分かんなくなっちゃったから、こーちょーにした。
かぐみも本当は、りゅーなんとかなんだけど、どうもりょーすきと区別をつけられないでいたら、「かぐみ」と呼んでくれって言われたのだ。
「リィナ、今のうちに
「はーい」
「ちっ、俺としたことが
珍しくお父さんが
ここまで忙しいことなんて、なかなかないからね。
私は
すると、
「ワ、レーゾーコダ!」
「エ、モシカステデンキキテルッテコト?」
「デンセナンテメナカッタキドゥ……」
何か二人が驚いてる。
もしかして冷蔵棚が珍しいのかな――
「エエエエエッ!?」
突然、
「ど、どうしたの!?」
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