第四章 第07話 馬車
ガラガラガラ……。
この
――リィナです。
いつもは、
この後ろにもう二台、同じように立派な馬車が続いてきている。
一人と言ったけど、正しくはもう一人乗ってる。
――マルグレーテさん。
……
エリィナさんが
いつもは
エリィナさんはどこにいるのか、今は一緒じゃない。
「もうそろそろ着きそうですね、マルグレーテさん」
「はい……」
たまにこうやって話しかけてる。
別に、無視されるわけじゃない。
でも無表情というかぶっきらぼうと言うか、さっきから話が
まあでも、いろんな
――この馬車が向かってる先はいつもの
りょーすきとはぅみは、きっといると思う。
……よく考えると、とっても
こんな状況になってるのが、ね。
りょーすきたちが多分、
見た目もそうだし、持っている物も。
でも、彼らに対して、みんなが妙に
エリィナさんは、短い
あっさり
私としては、りょーすきたちが
……ちょっと出来過ぎでは?
きっと
――馬車の進みがゆっくりになったと思ったら、しばらくして止まった。
着いた、のかな?
程なく、馬車の
外の
私にも下車するよう、
いつもの西の森の入り口だ。
そして、ロヨラスさんがたまに私たちを待っている
――その
◇
「わあ……」
暗い森の中を長い時間歩き
目の前に広がっているのは、はっきり言って
他の六人も同じようなリアクションをしてる。
――転移してきて約半年、初めて感じるあたしたち以外の人の香り。
ちょっと涙、出た。
「ねえねえ、せんせー。ちょっとその辺見て回ってきてもいい?」
近くで、ほけーっと立ってる
気を取り直したようにしてあたしを見た先生は、
「いやいや、気持ちは分かるがちょっとじっとしてなよ。それにほら」
そう言って、道の先を指さした。
「んん……?」
先生の示す先を視線で追うと……何やら黒い
目をきゅっと
「せんせー、あれってもしかして」
「うん、お迎えだね」
分かる。
めっちゃわくわくする!
「この年になるまで、馬車なんて見たこともありませんでしたよ」
「私もですよ、校長先生。何と言うか……
「アニメとかでは見たことあるけど……」
「
黒い
大きなウマが引っ張る焦げ茶色のつやつやした大きな箱、それが三つも。
「ねえねえ瑠奈ちゃん、一緒の馬車に乗ろ?」
こくこく!
「もしかして、八乙女せんせーも一緒に、ってこと?」
こくこく。
「うん、そうだね」
いいんだけどさ、瑠奈ちゃんてば妙に八乙女先生に
前に
――馬車が止まった。
あたしたち七人は、
先頭の馬車を
すると、中から女の人が一人降りてきた。
背が高い……近付かないとはっきりしないけど、百七十は確実にあると思う。
明るい茶色の髪をてっぺんで
紺色のロングワンピースのような服で、ウェストがきゅっと絞られている。
あれは……シャツなのかな、白い
そして、その
先に降りてた女の人が
ドジっ子……なのかな?
そして、ここであたしは確信した。
ここは絶対に地球なんだって、ね。
――だって、そうでしょ!
この宇宙にはきっと、地球以外にも生物がいる星がきっとあると、あたしも思う。
でも、
もし有り得るとすれば、その星が地球と全く同じ進化をしてきた場合だけど、そんなことはちょっと考えにくいんじゃないかな。
「おいおい、サブリナのやつ、大丈夫か……」
八乙女先生が
◇
「あいたたた……」
待っていた七人に気を取られて、
驚いたマルグレーテさんが手を貸してくれた。
「すみません……
「
「
答える私の視界に、りょーすきが
「ダィジョーブカ、サブリナ」
「
意味は分からないけど、
りょーすきの後ろから、他の人も
はぅみと
――会っていきなりやらかしちゃったけど、「
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