第四章 塩の町
第四章 第01話 うわさ
「なあなあ、お前知ってる?」
「何を?」
「
「もしかしてあれか? 禁足地に怪しいやつらが住んでるって言う」
「そう、それ。ホントなのかな」
「どうだろ。でも〇〇〇の
「それって、
そしてちらっと私を見る。
「んっんん!」
シーラが大げさに
「全く……こそこそと」
シーラはご立腹のようだけど、私は
こんな
エリィナさんは
※※※
「あの、エリィナさん……」
「ん、ああ、君か。どうした?」
「お食事中にホントすみません。でも、どうしても話しておきたいことが」
「そうか。それなら座りなさい」
私は
「それで? 私に話したいことというのは?」
「はい、あのう」
エリィナさんは
「シーラに聞いたんですけど、最近
「……うわさ?」
「はい、私もちょっと耳にしたのが、あの、禁足地の人たちのことで……」
「ほう……」
「禁足地に変な人たちが住んでるって」
「……」
「私、りょーすきたちと話してみて、あの人たちは悪い人じゃないと思うんです。それでもし、禁足地にいることが
「なるほど」
するとエリィナさんは、
「あ、
「いや、いい。君はここに座っていなさい」
私は気になって
――ほどなくして、
「
「さあ、君も」
「え、い、いいのかな……」
横に立ってるお母さんをちらっと見る。
――にっこりしてるから、いいか。
「それじゃ……いただきます」
くぴ、と一口飲む。
! ――これ……私の好きな
この辺じゃ取れないから、ずっと東の
いや、
「
「それはよかった」
そう言ってエリィナさんも、
「私はね、嬉しいんだ」
「嬉しい、ですか?」
「そう。君があの者たちをそのように評してくれるのが」
「あの……聞いていいのかどうか分からないんですけど、エリィナさんとあの人たちって、どういう
私を見るエリィナさんの
「そうだな……いつか機会があれば話すこともあるだろう。確約は出来ないが」
「はあ……」
「それと、先ほど君が話したうわさについてだが――私から言えるのは『
「え、ええ!?」
「前にも言ったように、君に仕事を依頼した時点である程度のことは想定の
「じゃあ、りょーすきやはぅみたちがどうにかされちゃうとかは……」
「
すーっと、エリィナさんの
怖い。
「引き続き、私たちのことは
「
※※※
「て感じでね」
「ふーん、じゃあ放置でいいわけだ」
「うん。そもそも悪いことしてるわけじゃないしね、私たち」
「それもそっか」
――その時、キィという音を立てて
「
「おはようございまーす、
この先生ともう一人、
オズ先生は
「では、始めましょう」
◇
「あー終わった終わった」
「
「ホント」
「ぺこぺこだよもう」
「僕も」
私たちはそろってお腹を押さえるが、無理もない。
何しろ、もうそろそろ
クリストッフェル――フェル――は、
私たちより一つ年下の
ちょっと皮肉屋だけで根はいい子、かな。
――ところで、私たちが普段
代官屋敷は
私が知ってるのは、ここに
あとは――
「
「はいはい」
「じゃあねー、レオさん、イェールさん」
「おう」
――
この人たちって、立ってるのが
まあ、そんなわけないのは知ってるけど。
「さーて、この
「どうするって、
「え、レオさんがまっすぐ帰れって……」
ディルとシーラの会話に、不安そうなシルドルーチェ――ルーチェ。
「ルーチェって本当に真面目だよね」
「クソマジメって言うんだよ、リィナ」
「フェル
と言いつつも、私たちの足は自動的に
いつものことだね。
――
「そう言やさ」
先頭を切って歩くディルが、振り向きもせずに言う。
「リィナとシーラ、何か隠し事でもしてんのか?」
ぎく。
「え、え? な、何のこと?」
「リィナさあ……」
フェルが
「丸わかりなんだよね」
「え、何か隠してるの? リィナ」
ルーチェが目を丸くする。
「いやあ? 別に何も?」
ディルまで
「まあ無理に聞き出すつもりはねえけどさ、何か困ったことがあったらちゃんと言えよ」
「う、うん。
「そ。しつこい
「お前なあ……」
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