第三章 第15話 再び接近
「いた! いました!」
「
「だから言ったでしょ、
私たちの五十
多分、こないだの人たちだ。
「うー、緊張してきた」
私は、
※※※
「サブリナ、と言ったかな?」
「
エリィナさんは軽く
「ではリィナ、君にはあるものをある
「あるものをある場所へ……」
「そう。そして、それらを
「うーん、お届けするだけなら何とか……
「そうだな」
「私、ただの
私としては、エリィナさんが
でも……出来ることと出来ないことがあるから。
「先に言っておこう。私は今、目立つことを好まない。君にこうして頼みごとをする時点で、ある程度の覚悟はしているが、それでも私自身のことや頼みごとについて、
「え、と……つまり、黙ってろってことですか?」
「
エリィナさんって、何か言い方が
やっぱり
「だから、全てを君が一人でやってくれるのが一番いいのだよ。しかし……思うにそこで君が張り切るあまり、普段しないようなことをして
「……」
「
友達と言われて、あの時一緒にいたシーラの顔がすぐに思い浮かんだ。
「シーラ――ドルシラのことですね」
「そうそう。そして
そして
「とりあえずこれで
「こっ、ここここんなに……一体何を」
「その中には調達したり
※※※
「一体どういう
「さあ、そもそもどうしてあたしたちに頼むのかってとこからして分からないもんね」
「目立ちたくないって言ってたけど……でもこれって、要するに
シーラのお父さんが引いている
ちなみにこの荷車は
小回りが利く分、動かすのにちょっとコツがいるけどね。
「で、リィナちゃん、この荷物を、あそこにいる人たちに渡せばいいんだな?」
「
エリックさんはドルシラのお父さん。
エリィナさんからの依頼を請け負う形で、今日は私たちに付き
ていうか、この荷物、いくら荷車があっても私たち二人じゃどうにもならなかったからね。
「それにしても……どこの
「あ、そうそう。エリィナさんが『恐らく
「何だって!? ……
「そういうことは、あたしたちよりリィナの
「ぐっ……まあ、
「あ、近づいてきますよ」
◇
「もしかして……
「ああ、やっぱり警戒してるのかも知れないな」
五十メートルほど先には、先日出会った少女二人に加えて、何と言うか……
――何かしゃべってるみたいだけど……行くしかないよな。
「
「ええ? 大丈夫かい?
俺の言葉に、彼女は気持ちほっぺたをぷうと
「そんなに私、頼りなく見えます?」
「い、いや、そういう意味じゃなくてほら、あの怖そうなおっさんが何するか分からないって言うかさ」
「思うんですけど、もしこっちに危害を加えるつもりで来てるとしたら、子連れなのって不自然じゃありません?」
言われてみると、そうかも。
「それに、そういう場合だったらもっと人数を連れてきてもよさそうなものじゃないですか?」
「うーん、分かったよ。じゃあ俺はちょっと下がってついていくから、頼んだ」
「はい、かしこまりました!」
にっこり笑って小首をかしげる。
何だよ……不覚ながら、ちょっと可愛く見えてしまったじゃないか……。
ざっざっ、と
俺は軽く頭を振って気を取り直すと、彼女の背中をゆっくりと追った。
◇
一度会っているはずなのに、少しずつ近づいてくる
「黒髪なんて、あたし見るの初めてかも……」
「確かに珍しいな」
シーラ達も同じ
私だってたくさんの
「それじゃ、このまま進むぞ。
「
「
少しずつ、
髪型は私に少し似てるかも知れない。
「ねえねえリィナ、女の人が先に来てるね」
「うん。
「ねえパパ、こっちもあたしたちが前に出た方がいいんじゃない?」
「何でだ?」
「だってほら、パパってさ、優しいんだけど見た目は結構……
「こっ……まあ、自覚はしてるが、
「あんまり怖がらせると
「分かった分かった。だがとりあえず五
「
「
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