第三章 第14話 出会いを求めて
少女たちと森の中で
様子見のためである。
万が一にも
調査自体で、何か新しい発見は今のところない。
南側も景色は北とほとんど変わらないようだ。
遠くに
水路を作る時に、意識して
……しかしこんなのは現状の
それでやっと三日前、コミュニケーションを取る方策について議論を重ねた結果、一応の
それは「
さんざん話し合って出た結論がこれとは、
問題は
本当はスケッチブックのようなものがあればやりやすかったのだけど、
――そこでA4のコピー用紙にリングを通して、それらしいものを作った。
一緒に油性ペンを数本、何
それで、だ。
結局、その
理由は単純。
こないだ
武器は持たないことにした。
万が一
だからもし戦闘になりそうだったら、逃げに
一応、俺たちにもしものことがあった時のために、離れたところで
そういうわけで、再び東の森を訪れるようになって今日で四日目なのだが――――
「――――今日も来ませんね……」
「来ないねえ」
今日も森に入って、既に二時間は経ってる。
最初の日はひたすら待っていたのだけど、あまりにも手持ち
「まあ、
「それはそうですけど」
「腹が減ってきたなあ……いつもより早めに出てきたからね」
「まだお昼には早いです。いつものように、正午になるまで我慢ですよ」
「了解」
それからしばらく、足元の草を刈りとるのに集中する。
「ねえ、
「ん?」
「お弁当のおにぎりのこと、知ってます?」
「ああ、うん……瓜生先生に聞いたよ」
その話を聞いた時、俺は不覚にも泣きそうになってしまった。
要するに、
――学校の中で働く自分たちより、カロリーが必要だろうから、と。
しかも、それを言い出したのが高校生の二人らしい。
更に言えば、そのことを皆には内緒にしているのだ。
瓜生先生は偶然、そのことを耳にしてある晩、俺に教えてくれた。
山吹先生が誰からそれを聞いたのかは知らないが。
「だから私、何としてもこの交渉を成功させたいんです」
「うん、そうだね」
そのためには、何としても現地の人たちに――――
「ん?」
草を踏み分ける足音と、何やらガラガラという音が、遠くで聞こえる。
そして――確かに近付いてきている!
……気のせいじゃ、ない。
俺と山吹先生は、ゆっくりと立ち上がる。
「や、八乙女さん、あれ……」
そして、彼女の視線の先におそるおそる目を向けると――――
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