第二章 第08話 役割分担
「グループ分けは以上で終わります。仕事内容については説明した通りですが、私たちは
校長先生のまとめの言葉に、俺は軽く息を
……て言うか、初夏でいいんだよな?
ここは日本よりずいぶん南かも知れないから、明確な四季がないって可能性もある。
推測ではハワイのホノルルとほぼ同じ緯度らしいけれど、そもそも緯度が同じでも気候まで一緒とは限らない。
サハラ砂漠だって同緯度帯にあるしな。
「
「今日も少し暑いですね」
顔を手で
「でも、気持ちのいい風も入ってきますね」
全開にしている窓からは、日射だけでなく風も時折吹きこんでくる。
はっきり言って心地よい。
「あまり結果を
先ほどまでグループで話し合いをしていた。
そろそろ昼ご飯の準備だという事で
「いわゆる
まあ情報もそうだけど、やることの方は
「早速午後から各グループで動いて頂きます。よろしくお願いします。では解散」
グループは四つ作ることになった。
こちらも必要に応じて新設したり
グループとメンバーはこんな感じになった。
・
・
久我
・
・
俺(
久我
並びは年齢順。
最初に名前が来ている人がとりあえず班長になる。
基本的には個人の希望を優先して決めた。
天方君たちは調査班に入りたがったが、まだどんな危険が
壬生先生も最初は調査班希望だった。
でも施設の方にもう少し男手が欲しいと言われた時に自主的に移動したのだ。
偉いね。
それにしても、女子高生の二人がバラけたのはちょっと意外だったな。
あと、互いの呼び方について提案があった。
とりあえず「先生」はやめようと。
まあ無理にって訳じゃなくてなるべくという感じかな。
大人の間でそうしたい人はってことだ。
俺もその方がいいと思う。
だっていきなり無理だろ? 子どもたちが俺たちをさん付けなんて。
ちなみに施設管理維持班と調査班は、二つに分かれることを想定した人数と組み合わせだ。
食料物資班と保健衛生班が女の人だけなのは、女性差別ってわけじゃないぜ?
希望でこうなっただけだ。
それに互いに助け合うとは言え、施設管理維持班はこれから屋外トイレとか設営したり防犯設備作ったりするしで意外と力仕事も多い。
俺たち調査班だってある意味力仕事と体力勝負ってとこがありそうだから、割と
――さて。
正直なところ、まだ分からないことだらけだ。
ここがどこかとか、何でこんなことに、とか。
何より分からなくて不安なのが「これからどうなるんですか」ってことだ。
この何の
大体、元いた場所は今、一体どうなってるんだ?
普通、大騒ぎになってるもんだろうけど……それを知る
「お、何だかいい匂いがしてきたな……」
「もう少しお待ちくださいね!」
思わずこぼれた俺の
この子だってきっと家族を置いてきてしまったんだろうに、きびきび動く姿に
「八乙女、さん」
「お?」
振り向くと山吹先生が立っていた。
「鏡班長が、班で一緒にお昼を食べようって言ってますよ」
早速「さん付け」に切り替えたんだな。
鏡班長ってのも何だか新鮮で、悪くない。
「分かった。で、どこ?」
「二階の図書コーナーの机を使うって言ってました」
「了解」
……この人は今、どんな気持ちでいるのだろう。
とりあえず同じ
でもにっこり
何だろう。
当面の目的が出来たから、だろうか。
あの地震が起きたのはまだ昨日の事。
その翌日でこんな感じって、
でも、悪くない、とも思った。
◇
——こんな風に、俺たちのサバイバル生活は幕を開けた。
どんな行く末が俺たちを待ち受けているのか、全く知らぬままに。
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