第二章 第06話 男たちの朝
転移後、俺たちは初の朝を迎えた。
もしかしたらと予想していたほどの混乱はなかった。
歯
汚水の廃棄場所も、この朝についてだけは携帯トイレを使って
衛生管理は可能な限り計画的に行うべきだと
トイレについても改めて言うまでもなく、昨日の段階でルール作りがなされていた。
特に専用の場所として一階と二階のトイレがあるのは、例え水洗機能が使えなくてもかなり助かる。
どこかで誰かの用足し中にうっかり
そもそも「女子部屋」の方では夜のうちに、翌朝のことやら何やらを自主的に話し合っていたそうだ。
男部屋では多少の雑談はしても、話し合いというレベルで何かを決めるようなことはしなかったな……恥ずかしながら。
――思うに、ここにいる人たちのほとんどが教師であるというのも、この混乱の少なさに関係しているんじゃないだろうか。
何と言うか、普段から
何より、この場所が「学校」であることが、みなが教師
俺だって授業するわけでもないのに、仕事しているって気持ちがどうしても抜けない。
みっともないところを見せられないと言うか、修学旅行や宿泊訓練に引率で来ているような、そんな感じだ。
「しかしあれだな……全く想像出来んかったんだが、
男部屋で
よく見ると、
「本当に困りましたよ。今日はもうしょうがないとして、今後どうしましょう」
「
校長先生が、瓜生先生の
「あのですねえ、僕のこれ、
え、そうだったの? 知らなかった。
「そう言えば、
あまり口元に変化のないのを、
「はあ、何か僕って体毛が昔から薄いみたいで……
トランクスからひょろりと伸びた脚は確かにつるっつるである。
「まあ子どもたち二人と久我さんはいいとして、我々はどうしましょうか」
俺は
男児二人は、黒板の下の
すると瓜生先生が、
「あんまり
サバイバルナイフって……そんなもんで毛を剃ったことなんかないぞ、俺は。
ワイルド過ぎないか?
「瓜生さん辺りなら持っていても不思議じゃないが、銃刀法とか大丈夫なの?」
鏡先生が心配げに言う。
「大丈夫ですよ。僕ちゃんと調べましたし、警察署にも問い合わせました。基本彼らってケースバイケースで判断するらしいんですが、すぐに使える状態になってるととりあえずマズいんだそうです。だから、
瓜生先生が得意そうに答えた。
「まあ実際のところ、備蓄品の洗面用具の中に
「……それ早く言ってくださいよ、校長先生」
鏡先生がむっつりと言う。
――でも俺、電動シェーバー派なんだよなあ……。
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2023-01-27 一部段落配置を見直しました。
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