第二章 第05話 眠れぬ夜
俺は今、毛布にくるまって我が身を横たえている。
季節がら室温は暑いくらいなのだが、何かを
いつからか何となく胸の辺りがざわざわする気がする。
時刻は……まだ日付は変わっていないだろう。
普段だったら余裕で起きている時間だと思う。
――眠れないでいるのは、どうやら俺だけではなさそうだ。
そこかしこから寝返りの音だとか、
俺の隣にいる小学生の男子二人――
この子たちは、職員会議が今まさに始まらんという時に、突然職員室に飛び込んできたのだ。
子どもたちはみな集団下校したので、本来ならいるはずのない二人。
そして……運の悪いことに、こんな訳の分からない
彼らの事情はまだ何も分かっていないが、鏡先生も無理に聞き出そうとはしていないように見える。
天方君たちも、あれ以来そのことを口にしている様子もない。
実際のところ二人が
「ホント、何なんだろうな……まったく」
真っ暗な天井を
◇
「地図で見ないと正確には分からないけれど、推測した
瓜生先生は言った。
「
実際、聞こえてくるのは風の音くらいだ。
虫の声すら、ほとんど耳に届いてこない。
「そう。そもそもその辺りは北マリアナ諸島って言って、小さな火山島ばっかりだったように記憶してるんだけど、この星空は……ここが地球だと証明してるよね」
日本からの見え方とは若干違っているが、東西南北全方位において、空を
残念ながら月はまだ出ていないようだけれど、いずれ昇ってくるのは恐らく、いつもの見慣れた
「それよりも
「何をです?」
「ほら、見える? あのゆっくりと動いている光。あれって多分さ……ISSだよ。国際宇宙ステーション」
「ISSって……マジですか……」
確かに天頂近くをのろのろ移動する光点が見える。
俺にはあれがISSかどうか判断がつかないが、ここが地球なら見えることに
地球ならば……。
「僕たちがいるこの場所は地球上にはあり得ないのに、空の
「矛盾……ですよね」
「そうだね」
その時、何かの動物の
「……ん? 今何か聞こえませんでしたか?」
「え? ……いや、僕には何も」
「うーん、
あの後しばらく耳を澄ませてみても、
それでも念のため、俺たちは校舎に戻ることにしたのだった。
◇
何度目かの寝返りを打ちながら、若干不謹慎かも知れないが俺はこの状況に、ある世界的に有名なヴォクセルサンドボックスゲームを思い出してしまった。
あのゲームでも、プレイヤーは最初見知らぬ場所へと
するとゾンビやらスケルトンやら、ファンタジー世界でお
ダメージを受ければもちろん体力は減り、ゼロになれば死亡してしまう。
武器になるようなものは何も持っておらず、仮に勇気を
どこかに逃げようと思ったところで、夜の間はほとんどどこにでも敵さんはわらわら
平原を、はたまた森の中を必死に逃げ
今の俺ならどうすればいいのかあれこれ分かっているけれど、プレイし始めた頃のあの恐怖感はなかなかにすごいものがあった。
――ほら、似てない? 今の状況と。
さすがにゾンビとかは
そんな
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