勝の血液

 夏の暑さで地上は照らされる。

 その一方、オネガイサマの祠は涼しく快適だと観光客が多くやって来て、ついでにお願いをして行く。

 そんな観光名所になっていた。

 その中でも今回は1人の青年のお願いを注視してみましょうか。

「いやぁ、青年。お願いはなんだい?」

「今年の夏、大事な大会があって、そこで俺たちのチームが優勝させたいんだ! お願いします!」

 そう願う。

「ほほう。いいよ〜」


 1週間後

「今年の大会、優勝したいな〜」

「でもさ、〇〇先輩っていっつもチームの足引っ張ってるよね〜」

 そう陰口を吐く生徒達。

「ねぇ、あの子がいなくなったらチームは優勝する?」

「そうだよ〜」

「そうなんだ〜ありがとう。今年は優勝できると思うよ」


 その夏、彼らのチームは優勝した。

 しかし、そのチームの名簿には優勝を願った青年の名はなかった。


「いただきます。ふふっ」

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