第2話パーティ

「さて、これからどうしたことやら…」

村を出たのはいいが必要最低限の軍資金しかないためしっかりと計算して使わないと跡が困ってしまう。なにか楽に稼げるような仕事はないかと考えながらこの国の首都

バクーリンを目指す。すると、

「ぎゃあおおおおお!!!」

体長が3mは優に超える熊が出現した。

「まじかよ…ついてないな…」

先程役職開示をしてなにも教えてもらっていない男が3mを超える熊と一騎打ちなど無謀の極みである。

すると熊がそのガタイからは信じられない速さで攻撃してきた

「うおっ!!」

危なかった間一髪のところで避けたが少しかすってしまった。これが何回も続くとなるとこっちがやばいな。

「ぐおおおお!!!」

ザクッ!!

「はぁ、はぁ、まずいな油断した。出血がひどい。このままだと死んでしまうな…まだ何もしてないのに…くそ」

意識が途切れかけたそのとき、

「大丈夫か!?」

「いくぞお前ら!」

「うりゃああああ!!!!」

ザクッ!ボト…

「出血がひどい!急いで街に運ぶんだ!大丈夫だからな!すぐ助けてやる!」

あんなデケェ熊を3人ですげぇな…くそ意識が…

「おい!大丈夫か!?おい!しっかりし…だいじょ…」

このとき俺の意識は完全にきれた。


目を開けるとそこには見知らぬ天井があり横には一人の少女が心配そうにこちらを見ている。

「お目覚めになったんですね!良かった!すごく心配したんですよ!今お医者様を呼んできますね。」

まず、ここがどこかを確認しないといけないな。よし起きるか、

ビキッ…

「いってぇ…」

「安静にしてなさい。あなた死にかけていたんですよ。」

「はい、わかりましたよ…」

そういえば、俺を助けてくれた人たちはどこにいるんだ。会ってお礼を言わなければ。

「おい、そこの女子ここはどこだ。あと、俺を助けてくれた人にお礼がしたい。その人の素性がわかるものはないか?」

「あ、それならすぐ隣に冒険者の集会所があるから行ってみては?でも動けないですよね?顔はわかるのでいらっしゃったら呼んできますね。」

親切な人だ。だがこれからどうしたものかとりあえず食いに困らにようになにかの仕事はしないといけない。何かいい仕事はないだろうか、あの女子に聞いてみるか。

「お!目が覚めたのか!無事で良かったぜぇ!」

「こちらあなたを助けてくださった冒険者さんの針山奏(はりやまかなで)さんです。」

この人が助けてくれたのか身長も高くスラッとした体型にところどころに傷がある。相当長い間冒険者をしていたのだろう年は20手前といったところだろうか。

「この間は命を助けてくださってありがとうございます。おかげで助かりました。」

「いいってことよ!あの化け物の攻撃食らってよく生きてられたなw普通死ぬんだぜw」

そんなことを笑いながら話す奏さん、この人だいぶやばい人では?

「まぁ命があって何よりだ。まぁすごく話の内容がガラッと変わるがいいか?」

「はい。」

「単刀直入に言う。私らのパーティに入らないか?」

「はへ?」

急だったのでそんな返事をしてしまった。でも答えは決まっているこの人は命の恩人だ。

「びっくりしましたけど、はい!僕で良ければ喜んで!一緒に行きましょう!」

すると彼女はにこやかに笑い、よろしくな!と言い握手を交わした。













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忌み子とよばれた俺が英雄になるまで とーふ @to_hu1108

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