湘南にある江の島。そこにつたわる龍神伝説を題材にした短篇です。
江の島は近くに海岸があったり水族館があったりと、観光地としてのイメージが強いですが、じっさい足を踏み入れてみると、急峻な坂と岩場の神域。古くから水神、龍神、弁天信仰があったことがうかがえます。
そして、深奥にあるあの洞窟は遠く富士の風穴まで続いているとか。
そんな観光スポットでもあり、デートスポットでもある江ノ島の、神域というもうひとつの側面をうまく取り込んで描かれた幻想譚。
怪異と恋が錠前のように堅く結ばれるアオいハルの物語です。